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【2022年最新】テレビアンテナ設置工事のすべて
テレビアンテナ設置工事では、アンテナの種類や費用、業者など、決めなければならないことがたくさんあります。
しかしアンテナ業者にはさまざまなタイプがあるため、価格相場や工事の流れを知らないまま依頼してしまうと「思っていた工事と違う」と後悔が残ってしまいかねません。
またテレビアンテナ設置工事の後も、周辺環境の変化や配線の劣化などで画質や受信できるチャンネル数が大きく変わってしまうことがありますが、定期的なメンテナンスをせずに不便な状態でテレビを視聴し続けているご家庭も数多くあります。
この記事ではテレビアンテナ設置工事で困らないための基礎知識をすべて網羅し、BS/CSや4K/8Kのような衛星放送、よくある疑問などの情報を幅広くまとめています。
また、プロ目線だから今後主流になるアンテナタイプや希望に応じた優良業者の見極め方なども丁寧に解説していますので、読み終わるまでには少し時間がかかります。
テレビアンテナ設置工事を失敗しないためにも、それぞれの章ごとにゆっくりとお読みください。
目次
1テレビ放送とは?地デジとBS/CSの違いと特徴
テレビ放送には地上デジタル放送と衛星放送の2種類があり、放送局から発信された電波をテレビアンテナが受信して各家庭で視聴する仕組みになっています。
そのなかでも衛星放送はBS/CSや4K/8Kなどの放送にわかれています。
テレビアンテナ設置工事の基礎知識として、まずはそれぞれの放送の違いや特徴について解説します。
なお、こういったテレビ放送以外にもAmazon Prime Video(アマゾンプライム)やNetflix(ネットフリックス)などの動画サービスがありますが、こちらはインターネットを介してストリーミング配信されているため、テレビアンテナは利用していません。
地上デジタル放送とは
地上デジタル放送とは、電波塔から発信されるデジタル信号の地上波放送のことで、日本でもっとも一般的な発信方式です。
テレビ朝日やフジテレビなどのテレビ局はすべて、この地上デジタル放送を利用しています。
日本では2011年(平成23年)7月24日正午にアナログ放送から地上デジタル放送へのきりかえが行われ、それまでよりノイズが少なく高品質な放送が可能になりました。
また、2022年はこの地デジ化から10年が経過する節目の年であり、アンテナの寿命が10〜15年であることを考えると今後メンテナンスや交換が必要なアンテナが急増することが予想されています。
地デジ化する前のアナログ放送とは
アナログ放送は1958年から2011年まで50年以上利用されてきました。
アナログ放送は設備にかかる費用が少なく、チャンネルをきりかえるスピードはデジタル放送よりも早いという特徴があります。
しかしアナログ放送は簡単にコピーできるため著作権保護が難しく、ノイズが多いことや、携帯電話の普及により電波の周波数が飽和してしまうなどの欠点を抱えていました。
BS/CS放送(衛星放送)とは
衛星放送とは上空36,000kmにある人工衛星を利用して電波を送信する放送のことで、テレビCMなしで映画やスポーツ番組などの多チャンネルを視聴することができます。
地上デジタル放送と異なり、より広域に大容量の電波を送ることができ、災害や周囲の環境変化に強いという特徴があります。
BSはブロードキャスティング・サテライトの略で、高画質のハイビジョン番組を主に放送しています。
民放各社の放送は基本的に無料で視聴できますが、NHKやWOWOWなどは有料の受信契約が必要です。
その一方で、CSはコミュニケーション・サテライトの略で、多チャンネルで専門性の高い番組を多く放送しています。
現在日本ではスカパー!が放送を独占しているため、視聴には月額での有料契約を行う必要があります。
BS/CSを視聴するためには専用のパラボラアンテナ設置工事を行います。
4K/8K放送(衛星放送)とは
4K/8K放送は2018年12月から始まった衛星放送のひとつで、2K放送である地上デジタル放送と比較して非常に高い解像度をもっているため、奥行きのあるきれいな映像を楽しむことができます。
もし地上波で4K/8Kを放送しようとすると膨大な電波が必要となるため、技術面や設備費などを考えると2022年現在では衛星放送以外での放送は難しいとされています。
なお、既存のBS/CS用のアンテナでもNHKやBS朝日などの4K/8K放送を視聴することができますが、すべての番組を視聴するためには専用の4K/8K放送用のアンテナが必要です。
テレビアンテナの違いと特徴
テレビアンテナは大きく2種類に分けられ、地上デジタル放送と衛生放送(BS/CS)を視聴するためのものがあります。
そのなかでも地上デジタル放送用アンテナの進化は目覚ましく、沢山の種類が登場しています。
ご家庭の電波状況やご希望によって設置できるテレビアンテナは変わってきますので、テレビアンテナ設置工事を依頼する前にそれぞれの違いや特徴について確認しておくことをおすすめします。
DIYでアンテナ設置作業を行う方も、アンテナ選びの参考になさってください。
地上デジタル放送のアンテナ
地上デジタル用のアンテナは、大きく3つの種類に分けられます。
・八木式アンテナ(パラスタックアンテナ)
・デザインアンテナ(ユニコーンアンテナ)
・室内設置アンテナ
ここではテレビアンテナの設置工事にかかる費用の相場を含め、テレビアンテナの設置箇所や受信性能などの特徴を解説しています。
周辺環境やご自宅の築年数などによっても設置できるアンテナが限られてきますので、最適なアンテナを選ぶようにしましょう。
八木式アンテナ
八木式アンテナは魚の骨のような形をしたアンテナで、屋根の上に設置されているタイプのものです。
1926年(昭和元年)に八木秀次さんと宇田新太郎さんが開発したアンテナであり、「八木・宇田アンテナ」とも呼ばれています。
この八木式アンテナは導波器、放射器、反射器という3つの棒状の素子(エレメント)で構成されており、単純な構造ですが受信感度が高いという特徴があります。
その性能の高さに反して価格が最も安いため、ひと昔前はほとんどの家庭でこの八木式アンテナが採用されていました。
しかし八木式アンテナは、水平方向の電波のみを拾うという性質があるため、設置する方角や角度がずれると受信感度が極端に落ちてしまったり、屋根の上に設置するため災害や飛来物などによる故障を起こしやすいという欠点があります。
また八木式アンテナの設置には高所作業が欠かせないため、転落の危険や屋根の破損などのリスクが伴います。
特に近年のの少子高齢化やデザインアンテナの登場により高所作業に慣れた業者が減少しているため、八木式アンテナの工事料金が割高になる傾向もでてきています。
2022年現在ではこのようなデメリットを考えて、八木式アンテナから他のランニングコストの安い最新型アンテナに交換するご依頼も増えています。
そのほかにも八木式アンテナの詳細やデザインアンテナとの比較もまとめていますので、よろしければご確認ください。
「デザインアンテナと八木式アンテナを比較!メリットや特徴を徹底解説」
「アンテナ工事の相場を解説!八木式アンテナとデザインアンテナのタイプ別の相場」
「八木式アンテナの失敗を紹介!みんなの経験に学ぶアンテナ工事」
パラスタックアンテナ
パラスタックアンテナは八木式アンテナに棒状の素子(エレメント)を増やしたもので、家庭用のアンテナの中では非常に受信性能が高いという特徴があります。
一本の軸に対して素子部分がX(エックス)状の形状になっており、パラレル(水平)とスタック(垂直)を混ぜてパラスタックという名称で呼ばれています。
このパラスタックアンテナは八木式アンテナでも電波を受信することが難しいような電波の弱い地域で使用されており、電波障害用アンテナや高性能アンテナなどとも言われています。
2022年現在ではアンテナ用のブースター(電波増幅装置)も進化しているため、このパラスタックアンテナを設置することはありません。
テレビアンテナ設置工事の専門業者から提案があった場合のみ検討しましょう。
デザインアンテナ
デザインアンテナは建物の壁面に設置する長方形のボックス型のアンテナで、別名「平面アンテナ」「フラットアンテナ」とも呼ばれています。
2012年に登場した比較的新しいアンテナであり、コンパクトでカラーバリエーションも豊富なため、発売当初は外観を重視する新築住宅で主に採用されてきました。
しかし近年ではデザインアンテナの機能面でのメリットが注目されはじめ、新築以外のご家庭でも八木式アンテナからの付け替え依頼が急増しています。
例えば機能面のメリットとして、デザインアンテナに交換することで太陽光発電のパネルを取り付けることができたり、屋根からの転落事故や屋根材の破損のリスクをなくすことができます。
また、軒下や屋根裏へ設置できるため、従来のアンテナよりも自然災害の影響を受けにくく、台風や大雪などでの故障リスクを大幅に下げることができるようになりました。
ひと昔前のデザインアンテナは価格が高く受信感度が良くないというデメリットがありましたが、2022年現在では、企業努力や電波増幅装置の進化によりその欠点はほぼなくなりつつあります。
本体価格だけでみればデザインアンテナはまだ5000円ほど八木式アンテナよりも高価ではあるものの、故障しにくくランニングコストが安いため、トータルの費用ではそこまで差が見られません。
このような流れからデザインアンテナは2022年以降、八木式アンテナを抜いて主流のアンテナになってゆくと予想されます。
そのほかにもデザインアンテナの詳細や他のアンテナとの比較もまとめていますので、よろしければご確認ください。
「デザインアンテナに完全移行する時期はいつ?最新のアンテナ事情を解説」
「デザインアンテナで失敗した事例を紹介!八木式アンテナを選ぶべき条件とは」
ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナはマスプロ電工が開発した最新式のデザインアンテナで、スタイリッシュなポール型をしています。
これまでのアンテナと比較して小型であるにもかかわらず、八木式アンテナとほぼ同等の電波の受信性能をもっています。
また、このユニコーンアンテナは風雨の影響を受けにくい形をしているため、電波の弱くなりがちな住宅密集地や、災害が多く倒壊の危険がある地域などで活用されています。
もし屋根の上に設置したとしても、見た目がスタイリッシュなので新築の洋風住宅の外観を損ねず、太陽光発電のパネルにも干渉しづらいため徐々に人気が高まっています。
ユニコーンアンテナについては「ユニコーンアンテナの特徴やメリット、設置の際の注意点は?」にも詳しくまとめていますので、参考になさってください。
室内設置アンテナ
室内設置型アンテナは、テレビについているコネクタに直接接続して利用します。
そのため設置工事不要で特別な専門知識がなくとも使用できますが、屋外に設置するアンテナと比較すると電波の受信性能は低くなりがちです。
一般的に室内設置アンテナは、屋外のアンテナ工事を行うまでの代用品や、自宅周辺の電波を確認する際に利用することが多く、アンテナ専門業者が設置をおすすめすることはありません。
電波を発信する基地局や電波塔が近い地域であれば受信可能かもしれませんが、基本的には一般家庭で快適にテレビを視聴するには、室内設置アンテナだけでは難しいケースがほとんどです。
衛星放送のアンテナ(BS/CS、4K/8K、CS放送など)
衛星放送は赤道上空36,000kmにある衛星を中継地点として、各家庭に電波を届ける仕組みになっています。
そのため衛星放送のアンテナを設置するためには、14時〜15時までの間に太陽光が差し込んでいる方角、つまり南南西東経110°の角度に向くよう正確に調節しなければなりません。
衛星放送を受信するテレビアンテナはパラボラアンテナと呼ばれ、地上デジタル放送用のアンテナと異なり円盤型で、丸いお椀に似た形をしています。
このパラボラアンテナは見た目はどれも似ているもののそれぞれに特徴があるため、ここではその違いを解説します。
BS/CSパラボラアンテナ
日本の衛星放送は中継する衛星の種類によってBS放送とCS放送の2つに区分けされています。
BS放送は無料チャンネルを含む全31チャンネルを配信しており、CS放送は有料ではあるもののBS以上に多彩な番組を視聴することができます。
一般的にBS/CSアンテナと呼ばれているものは、このBS放送とCS放送の両方を受信することができるパラボラアンテナのことです。
このBS/CSアンテナは、ほとんどが一軒家や集合住宅のベランダに設置されています。
しかし密集した住宅街や高層ビルの並び立つような地域では、上空からの電波を十分に受信できるように設置場所を工夫しなければなりません。
また、このパラボラアンテナの大きさは直径45cm、50cm、60cmのタイプが使用されています。
直径が大きいほど受信感度は高いものの、屋外設置のため風雨などの自然災害の影響を受けやすくなってしまうという特徴があります。
そのほかにも、工事費用は地上デジタル放送用のアンテナなどと同時に工事を行うと割引が適用されるため、今あるアンテナのメンテナンス工事のタイミングで設置を行うご家庭が多いです。
4K/8Kパラボラアンテナ
4K/8K放送とは、現在のテレビ放送である2Kのハイビジョン映像より更に高画質・高精細な放送のことです。
2018年12月からBS/CS放送で4K/8K衛星放送がスタートし、家庭でも専用のチューナーを内蔵したテレビを購入することで視聴できるようになっています。
通常のBS/CSアンテナでも一部の4K放送を視聴することはできますが、全ての4K/8K放送を本来の高画質で視聴するためには、4K/8K専用のポラバラアンテナを設置する必要があります。
この4K/8Kのパラボラアンテナの見た目や大きさは、一般的なBS/CSアンテナとほぼ同じであり、円盤などに「4K/8K」の表記があるかどうかで見分けることができます。
しかし見た目ではわかりませんが、技術面では従来のBS放送の「右旋円偏波」という電波の送信方法ではなく、4K/8K放送用の「左旋円偏波」を受信できるようにスペックが高くなっているという違いがあります。
高性能になっているぶん、4K/8KアンテナはBS/CSアンテナよりも価格は3000円ほど高くなっています。
4K/8Kポラボラアンテナ導入の補助金制度
従来のBS/CSアンテナから4K8Kアンテナへ移行する場合、総務省の「電波漏洩対策助成金制度」という補助金を利用できることがあります。
2017年5月11日以前に従来のBSアンテナが設置されている一般住宅で、2018年6月8日以降に4K8K対応アンテナを設置するケースが補助対象となります。
4K/8Kアンテナは今までのBS/CSアンテナと比較してやや高く、専用チューナーや4K対応テレビなどの周辺機器を購入するなどの工事以外の追加費用も必要です。
補助金制度ではアンテナ工事以外の経費(分配工事や4K8K対象ブースターの設置など)が国から3分の2相当のキャッシュバックが見込めますので、利用できるご家庭では工事前にアンテナ工事業者に相談してみましょう。
CSアンテナ(スカパー!)
BS放送はNHKやWOWOWなどの複数の放送局を選択することができますが、日本では現在CS放送はスカパー!が独占している状況です。
そのためパラボラアンテナを設置するだけではCS放送を視聴することができず、スカパー!の月額契約が必要になります。
以前は「スカパー!アンテナサポート」というアンテナ無料提供や取り付け費用補助を行っていましたが、2022年現在では終了して新しい「プレミアム はじめるサポート」というキャンペーンが始まっています。
「スカパー!プレミアム はじめるサポート」は、スカパー! プレミアムサービスに新規加入し1年以上ご契約すると、プレミアムサービス対応チューナー・4K・8K対応パラボラアンテナの無料提供と、工事費用の40,000円相当分のキャッシュバックがあるキャンペーンです。
BS/CSアンテナ設置工事の際にはこういったサポートも合わせて検討されることをおすすめします。
キャンペーン等は突然終了するケースも有るため、詳しい内容はスカパー!のホームページをご確認ください。
放送局からテレビまでの放送電波の仕組み
テレビ放送は日常生活になくてはならないものですが、その仕組みを聞かれるとはっきりと答えられないこともあるのではないでしょうか。
テレビ放送の仕組みは、放送局(放送事業者)によって番組制作が行われ、その電波はテレビ塔(電波塔)から各家庭のテレビアンテナに送られるというものです。
テレビアンテナが受信した電波は、家庭内のケーブル配線を通ってテレビで再び映像として再生されます。
このようにテレビアンテナは長距離を移動してきた電波を正確に受け取る必要があるため、テレビを快適に視聴するためには欠かせない役割をしていることがわかります。
ここではテレビ放送の仕組みについて、放送局やテレビ塔、放送電波の特徴やアンテナの配線の仕組みなどを詳しく解説します。
放送事業者(テレビ局/放送局)とは
放送事業者とは総務省から認可を受けた事業者のことで、番組を制作して一般家庭向けにテレビ電波による発信を行っています。
その中心となるのが一般的に「キー局」と呼ばれるNHK、日本テレビ、フジテレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京であり、そのネットワーク内にあるローカル局の放送網によって日本全国でテレビ視聴ができる仕組みが整えられています。
また、キー局の放送網に属さない「U局」もあり、テレビ埼玉や京都放送、サンテレビ、東京MXなどがあります。
このような放送事業者は地域密着型の情報を発信し、独自の放送を行っています。
なお、BS/CSや4K/8Kなどの衛星放送は、放送局から発信されたテレビ電波を上空の人工衛星が中継し、それを各家庭に設置された専用のパラボラアンテナで受信する仕組みになっています。
テレビ塔(電波塔)とは
テレビ塔とは別名電波塔とも呼ばれており、広範囲へテレビ電波を発信するための建物です。日本全国にテレビ電波を届けるために各地に設置されています。
一般的にこのテレビ塔は、山やビルなどの高い遮蔽物に電波を阻害されないよう周辺よりも高いタワー状になっています。
強い電波を発信しているため、このテレビ塔に近ければ近いほど周辺地域の電波強度も強くなります。
このテレビ塔で代表的なものが東京タワーやスカイツリーです。
スカイツリーは都内の高層ビル化により電波が届かない地域が発生する可能性があったため、アナログ放送から地上デジタル放送への移行にともない東京タワーの後継として新設されました。
テレビアンテナとは
テレビアンテナは、放送事業者とテレビ塔が発信した電波を家庭で受信するための機器です。
テレビアンテナには大きく2種類あり、地上デジタル放送を受信するUHFアンテナと衛星放送を受信するパラボラアンテナにわかれています。
このテレビアンテナが故障したり、自然災害や設置ミスで角度が少しでもずれると、テレビ映像にノイズが入るなどの不具合が発生します。
また地域の電波の強さはテレビ塔からの距離や周辺の遮蔽物の有無によっても変わってくるため、アンテナの受信感度が不十分な場合はきれいな映像を視聴することができないこともあります。
一般的にテレビアンテナは故障の少ない機器で耐久年数は10〜15年ほどですが、定期メンテナンスを怠ると急に故障してテレビが映らなくなることがあります。
特に2022年は地デジ化で新設したアンテナが徐々に寿命を迎え始める年なので、アンテナ専門業者が多忙になり、工事価格も徐々に高騰化していくと予想されています。
テレビアンテナは快適なテレビ視聴に欠かせない機器なので、急に故障してあわてて工事を行うよりも、不具合が起こる前にアンテナの事前点検するのもおすすめです。
ブースター(電波増幅装置)とは
ブースターとは、テレビアンテナが受信した放送電波をテレビが映像として再生できる推奨レベルまで増幅するための装置です。
地上デジタル放送用と、衛星放送の電波用で、それぞれ対応するブースターは異なります。
このブースターは、主に電波の弱い地域にアンテナを設置する場合や、テレビアンテナとテレビをつなぐケーブルが長くなってしまうケースで利用されます。
そのほかにも家のそばに高層マンションが建設されるなど、周辺環境の変化で電波状況が悪化してしまっても、このブースターを取り付けることでアンテナ本体を取り替えずに済むこともあります。
基本的にブースターはテレビアンテナの近くに設置し、設置が必要な場合はアンテナ工事業者から提案されることがほとんどです。
なお、アンテナ工事を依頼する際、ブースターのような周辺機器を見積もりに含んでいない業者もいるため、事前に追加費用の有無は確認しておくようにしましょう。
分波器/分配器とは
分波器や分配器とは、ひとつのテレビアンテナで複数台のテレビを視聴するために、電波を分けるための装置です。
それぞれ分波器と分配器では用途が異なり、必要な個数も各家庭で何台のテレビを視聴するかによって変わってきます。
まず分波器は、2つに別れた配線に地上デジタル放送と衛星放送のそれぞれに特化した強い電流が流れており、混在した電波を別々に分けるための装置です。
テレビアンテナが受信したままの電波だと、地上デジタル放送と衛星放送が混ざり合っているため、テレビで視聴することができないからです。
また分配器は、テレビアンテナが受信した地上デジタル放送と衛星放送が混ざった電波を、そのまま2つ以上に分けるための装置です。
地上デジタル放送と衛星放送を分けることはできません。
基本的に電波は分ければ分けるほど弱くなっていく性質があるため、必要であればブースターを設置して対応します。
この分波器や分配器といった周辺機器は、アンテナ工事と共に行うと割安になるだけでなく配線などもきれいに設置できます。
将来子供部屋にテレビを設置したり、BSやCSを視聴する予定があるご家庭では、アンテナ設置工事と同時この分波器や分配器の設置を検討するのがおすすめです。
テレビ配線(ケーブル)とは
ご家庭で目にするテレビ配線は、アンテナと家の外壁をつなぐものと、室内のテレビ端子のコネクタからテレビまでの短いものです。
しかしメインの配線は目に見えない壁の内部にあり、目的によって事ある種類の配線が使用されています。
ここでは、テレビ配線の種類や配線の引き込み方法などについて詳しく解説します。
アンテナケーブルの種類と特徴とは
テレビ配線には主に同軸ケーブルという種類の配線が使用されています。
同軸ケーブルは、各家庭のテレビアンテナからブースターや分波器・分配器を経由したテレビ電波をテレビの設置された部屋に送る役割をしています。
この同軸ケーブルは2c〜5cまでの異なる太さによって用途が分かれており、基本的に数字が大きいほどケーブルが太くなります。
テレビ局やテレビ塔ではさらに太い同軸ケーブルが利用されていますが、家庭で使用するものは5cのものが最大です。
・5cケーブル
最も太いケーブルで、アンテナから屋内へ電波を引き込むために使われています。
・4c
壁の中に設置し、5cケーブルからテレビを設置した部屋へ電波を送ります。
・2c
壁のコネクタ端子からテレビへ電波を送るために使われています。
一般的にケーブルは太い方が効率よく電波を送ることができ、テレビアンテナで最も太い5cを使い、それ以降はテレビまでの間で徐々に細いケーブルへ切り替えてゆきます。
屋外アンテナからのテレビケーブルの引き込み方法とは
地上デジタルアンテナやパラボラアンテナは基本的に屋外に設置するため、建物内へと配線を引き込む場合は5cケーブルを使用します。
一般的に2階建て住宅の屋根上にあるアンテナからケーブルを引き込む場合、5cケーブルは約10メートル必要になります。
屋外でこの最も太い5cケーブルを利用することで、一定の強度を保つとともに電波をロスなく運ぶことができます。
また、室内に配線を引き込む際に壁の中を通すのですが、利便性や部屋通しの距離を考慮しながら4cケーブルへの切り替えが行われます。
室内へのテレビ配線の引き込み(コネクタ)とは
室内でテレビを視聴するためには、テレビ端子と接続するためのコネクタを部屋の壁に設置しなければなりません。
一般的にこのコネクタは電源コンセントと併設されることが多く、配線は2cケーブルが利用されています。
この2cケーブルは細いため耐久性が低く、長すぎると電波の劣化が起こるため、最長でも5m、できれば1mほどでコネクタとテレビを結ぶことが望ましいとされています。
また、このコネクタが壁のどの位置にあるかで部屋のレイアウトが決まってしまうことも多いため、新築やリフォームの際にはどの位置にテレビを置くかをあらかじめ決めておくことが大切です。
そのほかにも、よくあるご要望で子供部屋でテレビを見るためのコネクタ増設があるのですが、このような工事はアンテナ工事と一緒に行うと割安になります。
それに加えて壁内には電気コードなどのさまざまな配線が通っているため慣れていない業者だときれいに配線が通せないこともあるのですが、プロのアンテナ業者であれば壁の穴を最小にしながらすっきりした配線の取り回しを行うこともできます。
なお、賃貸物件やアパートなどでどうしてもテレビの設置場所を変えたい場合には、オーナーに入居前に伝えておくとコネクタの位置を変える工事を行ってくれることもありますので、自己判断で工事せずに必ずオーナーに事前相談をするようにしましょう。
テレビ(受信機)とは
テレビ(受信機)とはテレビジョンの略で、テレビ局で制作された番組を再生するための電子機器です。
シャープや日立などの各テレビメーカーが製品開発を行い、現在では衛星放送の4Kや8K画質に対応した、チューナー内臓の高性能のテレビも販売されています。
部屋の大きさや人数などに応じて様々な種類を選ぶことができ、企業努力によってテレビ本体の価格もひと昔前に比べて落ち着いてきた傾向にあります。
なお、画質が粗いため満足の行く視聴はできないかもしれませんが、アナログ放送時代のテレビでも、専用チューナーを取り付けることで地上デジタル放送を視聴することができるようになります。
「アンテナが故障したかも?」と思った時のチェックリスト
日頃はあまり気にならないアンテナですが、アンテナ工事の必要性を再確認するのがテレビ画像が乱れたり、音声にノイズが入るなどの症状が出てきたときです。
しかしテレビトラブルも「テレビ本体の設定ミス」や「周辺機器の不具合」など様々な原因があり、修理のためのアンテナ専門業者を呼ぶ必要がないこともあります。
焦ってアンテナ業者に連絡を取る前に、まずは以下のチェックリストに沿って、ご自宅のテレビアンテナやテレビ周辺機器のチェックをしてみましょう。
①配線を確認しよう
②テレビ本体に故障が無いか確認しよう
③複数の分配器を使用してテレビに接続していないか確認しよう
④新しい高層マンションが立つなど、周辺環境に変化がないか確認しよう
⑤集合住宅の場合:他の部屋でテレビが映っているか確認しよう
⑥個人宅の場合:アンテナが傾いていないか確認しよう
⑦どうしても原因がわからない場合はアンテナ業者に相談しよう
ここではそれぞれの項目について自分で確認できるよう詳しくご紹介します。
高所作業などの危険なチェックは行わず、できる範囲で操作を行ってみてください。
配線を確認しよう
まずは、テレビが映らない原因としてよくある配線回りのトラブルをチェックします。
テレビの電源コードは抜けていないか
長い間コードをさしっぱなしにしていると、コンセントがいつの間にか緩んでしまっていることがあります。
まずはコンセントを確認して、テレビ本体にきちんと電気が通っているかどうかを確認をしましょう。
コネクタとテレビ端子をつなぐ線が抜けていないか
意外と多いのが、壁にあるコネクタとテレビ端子をつなぐケーブルが抜けているケースです。
特にペットや小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、いたずらで抜かれてしまうこともあるようです。
また、ケーブルは使用をはじめてから10年ほどで少しずつ劣化し、障害が出るようになってきます。
コネクターやケーブルが古い場合は接続が悪くなっている可能性もありますので、何度か抜き差ししてテレビ映りが改善するかどうかを確認してみましょう。
テレビ周りの配線に断線はないか
アンテナからテレビまでのケーブルに断線や損傷があるケースでは、電波が劣化してテレビにノイズが入るようになります。
ケーブルを見て、極端に曲がっていたり破れているところがないかを確認しましょう。
もし断線が原因であれば、家電量販店などで新しい配線を購入することで解決することができます。
壁の中の断線の可能性はないか
壁内のケーブルは目で見て確認できないため、断線の確認はアンテナ専門業者に依頼するしかありません。
壁内のケーブルはネズミによる被害にあうことも多いため、基本的にアンテナ専門業者であれば、アンテナやテレビのチェックと同時に専用の機器を用いてケーブルの断線もチェックしてくれます。
万一ネズミにかじられていた場合は、ネズミ対策のオプションサービスを利用することで配線の保護を行うこともできますのでアンテナ業者に相談するようにしましょう。
断線しているケーブルを使い続けると、漏電による火災の原因にもなりかねません。
少しでも疑いがある場合は、すみやかに業者へ依頼するようにしましょう。
テレビ本体に故障が無いか確認しよう
テレビが映らない原因としてケーブルトラブルの次に多いのが、テレビ本体の故障です。
アンテナ業者が工事の依頼を受けておうかがいしたときも、テレビの購入から10年以上たっているようであれば、本体の経年劣化を疑うことがあります。
また最近ではほとんどありませんが、倉庫にあったアナログ放送用のテレビを間違って接続し、テレビが映らないのでアンテナの故障だと勘違いされたケースもありました。
主電源が入るか確認しよう
もしテレビに主電源が入らない場合、コンセントが抜けていないか、リモコンの電池が切れていないかを確認します。
それでも電源がつかないときは、本体の故障である可能性が高いです。
B-CASカードが正しく刺さっているか確認しよう
地上デジタル放送の導入とともに、B-CASカードとよばれるICカードを挿入しないとテレビを視聴することができなくなりました。
テレビ画面に「E100」「E101」「E102」というエラーが出ている場合は、このB-CASカードのトラブルです。
例えばB-CASカードが抜けていたり、緩んで奥まで差し込まれていなかったり、接触が悪い状態になると情報が読み込めず、テレビが視聴できなくなります。
また、もしテレビをつけて少ししてから画質が落ちる場合は、B-CASカードを抜き差ししたり、ホコリや汚れを取り除いてみましょう。
エラーがどうしても治らない場合はB-CASカードの故障が疑われます。
その場合はB-CASカードのカスタマーセンターで交換してもらいましょう。
テレビのチャンネル設定が正しいか確認しよう
県をまたぐような引っ越しをした場合、チャンネル設定ができておらず、テレビがうまく映らないケースがあります。
テレビ画面に「E103」「E200」「E204」というエラーが表れていれば、このケースです。
この場合はチャンネルの再設定を行うと、問題なくテレビが視聴できるようになります。
複数の分配器を使用してテレビに接続していないか確認しよう
新しいテレビを購入したり、家族の人数が増えるなどの家庭環境の変化によって、アンテナ設置工事時点での想定よりも多くのテレビがアンテナに接続されていることがあります。
電波は分けるほど弱くなってしまうため、多くのテレビを視聴するために分配器を利用すればするほど、テレビの画質の低下や音声のノイズが増加してしまいます。
このケースではアンテナの故障が原因ではないため、ブースターを追加すると解決することがあります。
自力でブースターを設置することは難しいため、アンテナ設置業者へ工事を依頼するようにしましょう。
新しい高層マンションが立つなど、周辺環境に変化がないか確認しよう
テレビ電波は遮蔽物があると弱まってしまう性質があるため、いままで快適に視聴できていたとしても周辺環境の変化によって電波状況が変わってしまうことがあります。
例えば、高層マンションの建設や住宅の増加がよくあるケースです。
アンテナは設置時点での周辺環境に合わせて方角を設定するため、周辺環境が変わった場合は再調整を行うことでテレビ映りが改善するケースがあります。
室内アンテナなどの手の届く場所にあるアンテナであればご自身で動かすこともできますが、室外にあるアンテナは高所作業が必要なため、専門の業者へ依頼するのがおすすめです。
集合住宅の場合:他の部屋でテレビが映っているか確認しよう
アパートやマンションなどの集合住宅でアンテナが故障しているかを確認する場合、自分の部屋以外でも同じトラブルが起きているか確認するのが近道です。
集合住宅では一般的に複数の部屋でひとつのアンテナを利用する「共同アンテナ」が使用されています。
そのためもしアンテナが故障している場合は、周辺のはやでも同様の不具合が発生しているはずです。
もしアンテナが故障した疑いが強いようであれば、自分で対処せずマンションでは管理組合に、アパートではオーナーや仲介した不動産会社にアンテナの修理を依頼しましょう
個人宅の場合:アンテナが傾いていないか確認しよう
戸建てでアンテナの故障を確認する場合は、まずは外から見てアンテナが傾いていないかチェックしてみましょう。
飛来物や自然災害などの物理的影響で明らかにアンテナが大きく傾いていたり、破損が見られる場合はご自身で修理することは難しいため、そのままの状態でアンテナ業者へ工事依頼を行ってください。
またそのほかにも、目視でわからなくても経年劣化で少しずつアンテナが傾き、電波をうまく受信できない状態になっていることがあります。
デザインアンテナなど手の届く外壁に設置されている場合は、少しだけ方向を調節するとテレビの画質が改善するケースもありますが、多くの場合悪化してしまうことがほとんどです。
それに加えて高所作業には落下の危険があり、テレビアンテナの周辺機器による感電の可能性もあるため、十分注意しなければなりません。
どうしても原因がわからない場合
原因がわからない場合は無理にご自身で直そうとせず、アンテナ専門業者に相談することをおすすめします。
テレビアンテナ設置工事を請け負う施行業者では、アンテナ工事だけでなく電波調査やケーブルチェックなども行ってくれるため、見えない位置まで調査してくれるため、今後のことを考えてもしっかりと調べてもらったほうが安心です。
また業者の中でもアンテナを専門に扱う業者に工事依頼を行うことができれば、電波の強さを測定するレベルチェッカーという専用の機器を用いて、アンテナを正確な方角に再設置することも可能です。
原因がわからない場合は専門的なチェックや工事が必要になることもありますので、プロのアンテナ業者へ依頼するのがおすすめです。
そのほかにも引っ越しの際にテレビが映らなくなった場合は「アンテナの故障?引っ越しでテレビが映らないときの対処法」というページにテレビ受信契約を含めた詳細を載せていますので参考になさってください。
アンテナ設置工事の依頼はどこにすればいい?
実際に「テレビが映らない」「急にノイズが入る」などのトラブルが起きたとき、どこにアンテナ工事を依頼すればよいのでしょうか。
アンテナ設置工事を発注する際、依頼先は以下の6業者に大きく分けることができます。
・ハウスメーカー/工務店
・家電量販店/ホームセンター
・街の電気屋さん
・行政や役所
・自ら設置
・アンテナ工事専門業者
実はアンテナ設置工事には特別な資格や免許などが必要なく、2022年現在では個人から大手企業までたくさんの業種がアンテナ業界に参入してきています。
アンテナ業者の選択肢が広がることは消費者にとって望ましいことなのですが、料金体系や予約方法、工事を依頼する先がわかりづらいという声をいただくことも事実です。
業者によって価格や保証、作業スピードなどが異なりますので、ここではそれぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
これからアンテナ工事を検討される方や、将来の点検・交換に備えたい方などは、どこに発注するべきかの参考にしてください。
ハウスメーカー・工務店・リフォーム業者
新築やリフォームを行う場合、屋根や壁を改装するタイミングで工務店やハウスメーカー、リフォーム業者などにアンテナの設置工事を依頼することができます。
■メリット
新築やリフォームのタイミングであれば、壁の中の配線工事やコネクタの工事も余計な穴を開けることなく整理することができます。
また、壁の工事であればアンテナの配線や化粧を壁と同じ色で塗装することができるため、見た目をきれいに仕上げることも可能です。
そのほかにも新築やリフォームでは、アンテナ工事費用を住宅ローンや銀行融資の一部に組み込むことができるというメリットがあります。
■デメリット
当然ですがハウスメーカーや工務店、リフォーム業者はアンテナの専門家ではありません。
そのためアンテナに関する知識不足から固定が不十分になってしまったり、専門の機器がないためアンテナの方角の微調整が難しいこともあります。
またアンテナ設置が得意でない工務店やリフォーム業者は、他の業者に外注して済ませてしまうことも少なくありません。その場合は中間手数料などが発生するため、設置費用やアンテナ料金などの設置コストが割高になる傾向にあります。
■注意点
工事の正確性やコスト面から考えると、アンテナ設置工事のみを依頼することはおすすめできません。
新築やリフォームのついでに、などの理由があって初めてアンテナ設置工事の依頼を検討するようにしましょう。
アンテナ販売店(家電量販店、ホームセンター)
家電量販店やホームセンターではアンテナ本体を販売している店舗があり、一部の店舗ではアンテナを購入するとアフターサービスとして設置工事の依頼ができることもあります。
■メリット
このような販売店で依頼をする場合、店頭においてあるアンテナから設置したいアンテナを自分で選んで決めることができるというメリットがあります。
また工事費用自体には難しいことが多いものの、アンテナ本体購入ではポイントが利用できるケースもあります。
■デメリット
販売店の多くはアンテナ工事の窓口としての機能しかなく、実際のアンテナ設置工事は下請けの業者へ委託しています。
そのため一般的に販売店への依頼後に、後日改めて提携業者からの電話を待つ手間があったり、実際のアンテナ工事施行までに1ヶ月以上かかって不満を抱く方も多いようです。
さらに下請け業者への外注をおこなうことにより中間手数料を徴収されるため、工事自体のコストも割高になり、工事の保証もないことがあるため気をつけなければなりません。
また販売店や下請け業者によっては交換後の古いアンテナの破棄を断られることがあり、依頼主が自分でリサイクル費用を払って処分する手間と費用も追加で計算しておかねばなりません。
■注意点
販売店は一般的に大手チェーンであるため名前に安心感があるものの、提携先の下請け業者がアンテナの知識を持った業者である保証がなく、工事の質はピンからキリまで様々です。
アンテナ設置工事自体にはポイントが利用できない店舗も多いため、保証がないことやコスト高な点から、よっぽどの理由がないかぎりはアンテナ工事のみを依頼するのは避けたほうがよいかもしれません。
もし依頼する場合は、販売店の自社施行なのか、下請け先はプロのアンテナ業者なのか、保証期間はあるのか、施行までの時間や費用などの不安点を十分に解決してからにしましょう。
街の電気屋さん
街の電気屋さんは地域密着のお店が多く、お住まいのエリア情報に精通している専門家です。
■メリット
小型店舗が多いためフットワークが軽く、電話一本ですぐに駆けつけてくれることが多いです。
古くから営業されている電気屋さんほど、テレビ電波が届きにくいエリアや台風や積雪などの地域特有の自然災害など周辺地域のアンテナ事情をよくご存知のため、安心してアンテナ設置工事の依頼ができます。
■デメリット
近年の少子高齢化により、大手販売店に押されて街の電気屋さんは高齢化している傾向にあります。
そのため高所作業が困難だったり、跡継ぎがいないためアンテナの長期保証ができないなどの問題を抱えている電気屋さんも少なくありません。
また個人経営の電気屋さんではアンテナに関する知識が古いままで、最新アンテナの取り付け経験がなかったり、専用の電波測定器を持っていないこともあります。
■注意点
街の電気屋さんの情報はとても詳細で、ときにはアンテナ専門業者も情報交換のためにお店と連絡を取ることもあるほどです。
もしお付き合いのある電気屋さんがいらっしゃる場合は、その電気屋さんのアンテナ工事の実績や専門機器の有無、今後の保証に関することなどを確認してから依頼するとよいでしょう。
行政や役所などのサービス
自治体によりますが、お住まいの市町村の役所がアンテナ設置工事を請け負ってくれる場合があります。
■メリット
住民基本台帳に登録されていれば、誰でも相場より割安でアンテナ工事を依頼できます。
行政は地域の電波問題や特徴を把握しているため、工事自体は下請け業者に委託していたとしても、工事前よりチャンネル数が増えたり電波の質が良くなることもあります。
■デメリット
対象の市町村には限りがあり、あくまで行政サービスなので待ち時間がとても長くなる傾向があります。そのためお急ぎの方には不向きです。
■注意点
行政へ依頼する場合は「日立国際電気」などの腕章をつけた作業員がアンテナ工事を行います。
身分証を携帯していない作業員は工事をよそおった詐欺の可能性がありますので、注意しましょう。
DIY/自分で取付工事を行う
アンテナ設置工事だけであれば電気配線を使用しないため、インターネットや家電量販店、ホームセンターなどでアンテナ本体を購入し、無資格者でも設置することができます。
■メリット
自分で設置するアンテナを選ぶことができ、本体はインターネットで割安で購入することができます。
また自力で工事を行うため設置費用がかからず、とにかく安く済ませることができます。
■デメリット
アンテナ本体は割安で手に入れることができますが、そのほかのワイヤーや屋根馬などの部品、専門の測定機器を自分で用意しなければならず、結局割高になったケースをよくききます。
特にテレビ電波を感知するレベルチェッカーは、プロ仕様と一般家庭用では精度に大きな差があるため、このような機材を熟知していない場合は正確にアンテナを設置することは難しいと考えたほうが良いでしょう。
またアンテナ設置工事自体は電気を使用しないものの、周辺機器の設置で電気工事が必要なものもあります。
その場合は電気工事士という資格なしで作業すると、違法であるばかりか感電の危険性があります。
ほかにも、アンテナ設置工事は高所作業が中心となるため、瓦や屋根、電柱などに登る場合は転落事故のおそれがありますので、十分に注意しなければなりません。
■注意点
高所作業や配線の取り回し、ワイヤーなどの設置に慣れていない方は、DIYでのアンテナ設置作業はおすすめできません。
少しでも不安が残る方はアンテナ専門業者にお問い合わせいただき、工事の相談を行うようにしましょう。
スキルシェアサービスの個人事業主
2022年現在、ココナラに代表されるようなスキルシェアサービスが一般に広まりつつあります。
これは知識や技術を持った人と仕事を依頼したい人のマッチングが行われるサイトで、アンテナ設置工事を請け負っている個人事業主の方をみつけることもできます。
■メリット
スキルシェアサービスでは個人と個人のやり取りになることが多いため、深夜や早朝など時間の融通をきかせてくれることがあります。
費用はそれぞれ依頼先によって異なりますが、アンテナ業者などと差別化を図るために相場よりも安くアンテナ設置作業を行う個人事業主も多いようです。
■デメリット
アンテナ設置工事は無資格でもできる反面、全く知識のない素人でもスキルシェアサービスに登録することができてしまいます。
そのため依頼したけれど安い部品を使用しているため結局すぐにアンテナが倒れてしまったり、工事にミスが見つかったので治してほしいのに連絡がつかなくて困ってしまうケースもあります。
■注意点
近年流行しているスキルシェアサービスですが、依頼先を間違えてしまうと大きなトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。
アンテナのような10〜15年使用する機器は、できるだけ専門知識のある業者へ依頼するほうがよいでしょう。
アンテナ専門業者
アンテナ専門業者は、テレビアンテナの設置や交換・メンテナンスを専門に扱うプロの業者です。
■メリット
テレビアンテナというニッチな業界で専門的な工事を請け負っているため、アンテナの知識や専門機材は当然のこと、他業者と比べて工事実績が豊富であることが最大のメリットです。
アンテナは他の家電や設備と比べて繊細な設置作業を求められるため、アンテナの種類や周辺状況、設置エリアごとに臨機応変にカスタマイズされた工事をしなければなりません。
その点でノウハウの多いアンテナ専門業者は、最も安心できる依頼先だと言うことができます。
またアンテナのみを取り扱うため部品やアンテナ本体を大量購入することができ、自社施行で手数料が発生しません。
そのぶんアンテナ専門業者はほかの業者よりも安い価格設定になっています。
■デメリット
アンテナ専門業者は販売店のように実際の店舗を持たない事が多いため、アンテナの実物を見て選ぶことができません。
また、即日対応可能なアンテナ専門業者も多いものの、電気屋さんのように連絡から30分以内に訪問してくれるような迅速な対応は難しいことが多いです。
そのほかにもアンテナの専門業者なので、ついでにエアコンの調子を見たり、洗濯機をみたりというような依頼はできません。
■注意点
インターネットで検索すると多くのアンテナ専門業者を見つけることができます。
しかしその品質は当たり外れがあり、工事スピードや価格などには差があります。
特に高齢者世帯やあまり知識のない消費者を狙って、激安の広告などで契約し、工事後に多額の追加費用を請求する詐欺的行為を行う悪徳業者も増加傾向にあるため注意が必要です。
アンテナ設置工事を検討する際には、工事実績や口コミなどでどのような業者なのかを確認してから依頼するようにしましょう。
アンテナ業者を選ぶ際の注意点
アンテナ業者は多岐にわたり、それぞれの業者によって特徴や作業形態が異なります。
そのため何を重視したアンテナ工事を行うかを、事前に家族で話し合っておくことが大切です。
そのほかにも詳細をまとめたページがありますので、よろしければ参考になさってください。
「保証優先の業者選び!アンテナ工事で”もしも”に備える方法」
「アンテナの業者選びで失敗?依頼前にチェックすべきポイントとは」
アンテナ工事の流れとその所要時間
アンテナ工事は一生のうちに何回も行うことではないため、どのような流れで何時間かかるのかをご存知ない方がほとんどです。
アンテナ工事は必ず家族の誰かが家で待機していないといけないため、拘束時間や業者が家に上がるタイミング等を予め知っておくことでスムーズに工事に対応できるようになります。
ここでは実際にアンテナ設置工事を依頼することを想定して、アンテナ工事の作業内容や所要時間の目安をご紹介します。
アンテナ設置工事の作業時間目安
依頼するアンテナ業者によりますが、ほとんどの場合でアンテナ工事全体にかかる時間は2〜3時間です。
それに加えて衛星放送用のパラボラアンテナやブースター(電波増幅器)などの周辺機器を取り付ける場合は、それぞれ追加で30分~1時間ほど工事時間が長くなります。
また、実際の時間は当日の天候や自宅の周辺環境、作業員の経験値で前後することを覚えておきましょう。
なお、築年数が経過して屋根が傷んでいるなど特殊なケースでは、落下防止の足場を組むため工事に半日かかることもありますので、不安な場合は工事を依頼するときに作業時間を聞いておくようにしましょう。
アンテナ設置工事の作業の流れ
アンテナ工事の流れは依頼するアンテナ業者によって異なりますが、大体が以下の手順で行われます。
①予約
事前に電話やメールで工事の仮見積もりを行い、納得ができれば予約をします。
自社施行であれば相談の電話で見積もりから予約まで完了することがほとんどです。
しかし、下請け業者に発注している業者は予約完了までに複数回のやり取りが必要です。
②現地調査
作業当日に1時間程度の現地調査が行われ、電波強度の測定やアンテナの設置場所の確認、見積金額の確定が行われます。
現地調査とアンテナ工事が同日ではない業者もあるため、注意しましょう。
③アンテナ設置
アンテナの設置工事を行います。
④周辺機器の取り付け
現地調査で必要だと判断された場合は、周辺機器の取り付けや配線の工事などがあります。
⑤最終チェック
すべての工事完了後に、室内でテレビが快適に視聴できるかどうかを確認して作業終了です。
そのほかにもアンテナ工事における時間や行程について詳しくまとめています。
よろしければ参考になさってください。
「アンテナ設置工事の作業時間は?新設と交換工事の所要時間の違いも解説」
【地域別】よくあるアンテナトラブルとその対処方法
日本のアンテナは規格化されたものが使用されており、どの地域でも同じアンテナを使用しています。
しかしお住まいの地域によって、よく発生する自然災害の種類や山やビルなどの周辺環境が違うため、アンテナに関するトラブルも異なってきます。
ここではよくあるアンテナトラブルに関して、その対処法を詳しくご紹介します。
台風や強風の吹くエリアのアンテナ設置
アンテナは屋外や屋根に設置することが多いため、台風や強風などの自然災害の影響を受けやすいという特徴があります。
沖縄や九州、和歌山などが特にその傾向が強く、アンテナ設置の際には台風が来ることを前提として工事を行わなければなりません。
例えば台風対策として、以下の方法があります。
・他の地域よりも頑丈な取付金具を利用する
・壁面設置のデザインアンテナに交換する
・落下防止の安全紐の設置
テレビアンテナ工事の専門業者であればこのようなノウハウを持っており、依頼の段階ですべての台風対策を見積もりに盛り込んでくれます。
心配な地域の方は、見積もり相談の際に伝えるようにしましょう。
積雪の多いエリアのアンテナ設置
アンテナにとって天敵なのが、物理的に埋まってしまう積雪です。
八木式アンテナのような骨状のアンテナは対策が取りやすいのですが、衛星放送のパラボラアンテナは積雪があるとその影響を受けてしまいやすいです。
特に北海道や東北、長野や北陸、京都や滋賀のような積雪量の多いエリアでは、アンテナに雪の荷重がかからないように設置箇所を慎重に決めなければなりません。
またこのようなエリアでは、雪が降ってきたらアンテナの様子を確認することも大切です。
テレビアンテナの専門業者ではこのような天候への対策も十分な知識がありますので、雪が多い地域では事前に相談してみることをおすすめします。
潮風の影響を受けるエリアのアンテナ設置
海に近いエリアでは、潮風によるアンテナのサビに注意しなければなりません。
基本的にアンテナの寿命は10〜15年ほどですが、常に潮風にさらされているケースでは劣化が早くなる傾向にあります。
アンテナ本体が錆びてしまっても電波の受信には影響が愛顧とも多いのですが、支柱やワイヤーなどの劣化をそのままにしておくと、アンテナ本体の転倒や落下の危険性が高まります。
アンテナ専門業者では地域によって潮風対策を行うこともありますが、最も良い安全対策は通常よりも早いサイクルでアンテナの点検や取替工事を行うことです。
どれくらいの期間でアンテナ工事を行ったほうが良いのかなどの専門的なアドバイスは、プロのアンテナ業者へ相談すると確実です。
【住まい別】アンテナ設置工事における注意点
ひとくちにテレビアンテナといっても、設置する建物や利用方法によってアンテナ設置工事での注意点は異なります。
例えば一軒家であれば複数の種類のアンテナから選ぶことができますが、集合住宅では共有アンテナを利用しているため個別のお宅でアンテナを設置することができない場合もあります。
ここでは、お住まいのタイプ別にアンテナ設置工事における注意点をご紹介します。
戸建てのアンテナ設置工事における注意点
戸建住宅にお住まいのケースは、実はもっともテレビアンテナ設置工事がスムーズです。
持ち家のアンテナ設置工事
特に自己所有の持ち家でアンテナ設置工事を行う場合には、アンテナ工事は自己費用であるかわりにアンテナタイプや設置場所はご家族で自由に決めることができます。
戸建てに設置可能なアンテナタイプは電波の受信性能が高い「八木式アンテナ」や壁面設置可能な「デザインアンテナ」などいくつかの種類があるため、希望に応じて選択するようにしましょう。
また持ち家であれば、アンテナ設置工事を依頼する業者も自由に決めることができます。
自分で業者を選ぶことができれば相見積もりなども取りやすいため、価格や業者の質をじっくり見極めてから工事依頼ができるため満足のゆく工事を行いやすくなるでしょう。
また、もし家の屋根が瓦ぶきで築年数が古く、瓦の上での作業を避けたい場合や雨漏り防止のためにアンテナを設置したくない場合には、敷地内に電柱を立てることでアンテナを取り付けることも可能です。
賃貸戸建てのアンテナ設置工事
その一方で賃貸戸建ての場合は、アンテナ設置工事に持ち家ほどの自由度はありません。
賃貸ではあくまで建物やアンテナはオーナーの所有物となるため、基本的にアンテナの工事を希望する場合は工事費用の負担がない代わりにオーナーへの事前相談が必要になります。
オーナーによっては領収書さえとっておけば入居者の費用負担無しで好きな業者、好きなアンテナを設置して良いという方もいらっしゃいます。
しかし多くの場合はオーナーの付き合いのある業者に依頼してオーナーの意向に沿ったアンテナが設置されることがほとんどです。
もちろん実際にその家に住むのは入居者なので、アンテナの種類や業者に希望がある場合は事前にオーナーへ相談してみることも大切です。
特にデザインアンテナなどは取り付けるために外壁に穴を開けなければならず、このようなケースではオーナーの許可を得ずに工事を行うとトラブルになりかねないため、注意するようにしましょう。
そのほかにも戸建てへの引っ越しなどでよくあるトラブルをまとめていますので、参考になさってください。
「戸建へ引っ越したときのアンテナ工事はどうしたらいい?一軒家だからこそ気をつけるべきポイントを徹底解説!」
「新築のアンテナ工事の秘訣!入居後すぐにテレビを視聴する方法」
集合住宅のアンテナ設置工事における注意点
アパートやマンションのような集合住宅では、自由にアンテナ設置工事を行うことができません。
なぜなら一般的な集合住宅ではいくつかの家庭で共有のアンテナを利用しており、そのアンテナの所有権もアパートのオーナーやマンションの管理組合が持っているからです。
これは賃貸だけでなく自己所有のマンションでも同様で、アンテナに関するルールがあることがほとんどです。
そのため集合住宅でアンテナの設置工事や点検を行う場合は、必ずオーナーや管理組合への事前相談を行うようにしましょう。
集合住宅での衛星放送アンテナ設置工事における注意点
集合住宅の地デジアンテナ設置工事は個人が自由に行うことができません。
しかしその一方で、BS/CSや4K/8Kなどの衛星放送を視聴するためのパラボラアンテナは原則自由に設置することができます。
もちろん管理規約の確認は必要ですが、工事が自費である代わりに業者の選択やパラボラアンテナの種類も選択することができます。
また、パラボラアンテナは一般的に集合住宅のベランダで設置工事を行いますが、アンテナの方角がシビアであること以外は設置の難易度はそこまで高くありません。
しかし落下防止などの安全対策が不十分だと、経年劣化や地震などでアンテナが階下2落下して対物・対人事故が発生する危険性があるため注意が必要です。
集合住宅で衛星放送のアンテナ設置工事をおこなう場合は、ノウハウのあるアンテナ専門業者に依頼するようにしましょう。
そのほかにもアパートやマンションそれぞれに引っ越した際の注意事項をまとめています。
よろしければ参考になさってください。
「アパートへ引っ越したときのアンテナ工事はどうしたらいい?賃貸だからこそ気をつけるべきポイントを徹底解説!」
「マンションへ引っ越したときのアンテナ工事はどうしたらいい?賃貸と持家それぞれで気をつけるべきポイントを徹底解説!」
高層マンションのアンテナ設置工事における注意点
集合住宅の中でも高層マンションの場合は、風の影響を受けやすく電波強度が弱くなりやすいなど戸建てや集合住宅とは違った問題が発生します。
そのほかにも、一般的に高層マンションは通常の集合住宅よりも管理規約が厳しく、アンテナ設置に関しても制限があることがほとんどです。
また、規約がない場合でも高層階に設置するためアンテナ落下防止の徹底や、耐用年数が長いアンテナに交換したり、必ず定期点検を行うなどの対策が求められます。
そのほかにも高層マンションでのアンテナ設置工事は高所作業となることが想定されますので、工事に慣れた複数の専門業者に見積もりや相談をしたうえで依頼をすることをおすすめします。
特に高層マンションは電波を拾いにくいことが多いため、高感度のレベルチェッカーなどでの対応が可能な業者を選択するようにしましょう。
商業施設のアンテナ設置工事における注意点
レストランやオフィスなどの商業施設でのアンテナ設置工事は、安全性や衛生面に注意しながら行わなければなりません。
特にアンテナは建物に設置する突起物であり、間違った方法で取り付けると転倒や落下の危険性だけでなく、人に怪我をさせてしまうこともあります。
商業施設こそアンテナ専門業者へ依頼することで、万全の対策を行うようにしましょう。
そのほかにも店舗によっては外観にこだわった建物も多いため、その地域の電波状況だけでなく美観やイメージにもこだわった設置工事が求められます。
また見た目だけでなく室内でも、ケーブル処理が甘かったりコネクタの場所が悪いと、通行の妨げになったり掃除がしづらい原因となることもあります。
商業施設の施工自体は難易度の高いものではありませんが、外観や利便性、安全面のすべてに配慮しながら施工できるアンテナ業者はそう多くありません。
このような場合は、ノウハウや専門性の高いプロのアンテナ業者へ相見積もりをとって、納得できるまで相談するのがおすすめです。
アンテナ設置工事に必要な機材や機器
ここでは、テレビアンテナ設置工事における一般的な機材や機器をまとめています。
ご紹介しているすべての機器や機材が必ずしも必要ではありませんが、アンテナ専門業者が必ず携帯しているものに厳選しました。
・ブースター
・分配器(分波器)
・アッテネーター
・脚立
・屋根馬
・水平器
・測定器(レベルチェッカー)
・アンテナマスト
・マスト支線止め金具
・ステーアンカー
・ステンレス支線
・壁面金具
DIYなどご自身で取り付けを行う方や、見積もりでわからない部品などがある方は参考にしてください。
ブースター
ブースターとはアンテナの受信する電波を増幅するための機材で、アンテナ支柱などのアンテナ本体にとても近い位置に設置されています。
一般的な家庭用テレビでは受信電波の推奨レベルが設定されており、アンテナが受信した電波が不十分だと急激に映像や音声の質が低下してしまいます。
そのようなトラブルを防ぐため、ブースターは電波の弱い地域や、複数台のテレビを利用して電波が弱まってしまうケースでよく活用されます。
その一方で、このブースターは受け取った電波を強める働きしかないため、受信電波そのものの状態が悪い場合には、いくら設置してもテレビ映りが改善されないことがあるため注意が必要です。
詳しくは「地デジアンテナのブースターとは?選ぶときのポイントや効果、改善されないときの対処法」でご確認ください。
分配器(分波器)
分配器や分波器は、ひとつのアンテナから複数のテレビに電波を分けるための機材です。
このような機材やケーブルを仲介すればするほど電波は劣化してゆくため、いかに効率よくテレビに電波を届けることができるかは、この分波器や分配器そのものの質や設置方法にかかっています。
また分配数が多くなればなるほど、電波の悪化から映像にノイズが入ったり衛星放送が映りにくくなるため、通常はブースターとセットで利用されています。
もしご自身で設置される場合は、受信するテレビ電波の種類によって分波器や分配器の対応機種が異なるため、目的にあったものを購入するように注意しましょう。
詳しくは「子供部屋にテレビを設置したい!複数の部屋でテレビを視聴するためのアンテナ工事とは」でご紹介していますので、参考になさってください。
アッテネーター
アッテネーターはブースターと反対に、強すぎる電波を弱めるための装置です。
電波信号が強すぎるとテレビの映像の乱れなどの障害が出ることがあり、アッテネーターはそのような電波を適切なレベルまで減衰させるため、テレビ塔に近いエリアなどでよく利用されています。
脚立
アンテナ専門業者が使用する脚立は、一般的な脚立と異なり高所作業に適した長尺で、滑り止め装置や転落防止用の安全装置がついています。
家庭用の脚立でも屋根の高さに対応しているものはありますが、強度や滑り止めが不十分な場合が多く、屋根などの高所作業には向きません。
もしDIYでアンテナ設置工事を行う場合は、高所作業用の脚立を購入するか、近所の電気屋さんなどの業者からレンタルすることをおすすめします。
屋根馬
屋根馬は、アンテナ本体を屋根に固定するための設置用機材です。
通常屋根には傾斜があるため、安定して支柱を立てることができません。そのためアンテナを固定するための補助として屋根馬が利用されています。
屋根馬の活用により強風などの揺れからアンテナを守り、10〜15年ほどの長期間の使用に耐える設置工事を可能にしています。
電波測定器(レベルチェッカー)
電波測定器(レベルチェッカー)とは、電波の受信感度を正確に測るための機器で、アンテナ設置工事には欠かせないものです。
この記事内でも何度かご紹介しましたが、プロの使用するレベルチェッカーには全てのチャンネルを一括受信できたり、同時に映像の確認ができる機能もついています。
そのほかにも、4K/8Kなどの衛星放送ようのパラボラアンテナを設置するためには、専用のレベルチェッカーが必要です。
専門機器のため価格はとても高価であることが多く、DIY用での購入は割に合わないためおすすめできません。
アンテナマスト
アンテナマストとは棒状の鉄材のことで、アンテナを屋根や壁面に取り付ける際の芯材として利用されます。
基本的には設置する建物や位置によって太さや強度の異なるアンテナマストを使い分けており、どのマストを使うかはプロの業者の腕の見せ所となります。
アンテナマストはホームセンターで購入できる店舗もあるので、ご自身で選択する場合には最も好ましいタイプのものを購入するようにしましょう。
ステーアンカー
ステーアンカーとは、アンテナを支えるための固定金具のことです。
アンテナはその特性上どうしても台風や積雪の被害を受けやすいのですが、アンテナそのものの強度を変えることはできないため、このステーアンカーとアンテナマストと併用することでアンテナの倒壊を防いでいます。
ステンレス支線
ステンレス支線とは、ステーアンカーやアンテナマストと同様にアンテナの強度を高めるためのワイヤーです。
このステンレス支線を複数の方角から張ることで強度を増し、アンテナが自然災害によって倒壊することを防いでいます。
ただし、豪雪地域ではステンレス支線そのものに雪がつもることでワイヤーの張りが緩んでしまうことがあります。
地域の特性にあったワイヤー選びや、張り方を工夫するようにしましょう。
アンテナ設置工事に関する良くある質問
ここでは、オフィスやご自宅へのアンテナ設置工事を検討されている方からよくいただくご質問をまとめました。
そのほか気になる点やご心配などがあれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。
アンテナ設置における高さ制限はありますか?
いいえ、テレビアンテナの設置には高さ制限はありません。
改正建築基準法の令2条1項6号ハには「高さに算入されない屋上突出物」と規定されており、テレビアンテナは建物の高さ制限には含まれないことが明記されています。
ただし、大型のテレビアンテナや電波受信設備を設置するケースでは注意が必要で、「突起物として認定されるのは建物の敷地面積の8分の1以下」という要件を守らなければなりません。
また都道府県や市町村によっては、景観保護目的の条例で屋根や屋上へのテレビアンテナ設置が認められていないケースもあります。
プロのアンテナ業者であればエリア情報を確認することができるため、少しでも不安がある方はご相談ください。
台風や積雪などの自然災害対策のできるアンテナ設置の方法はありますか?
テレビアンテナは十分な電波を受信するために、建物から突起物のように少し飛び出た形で設置します。
そのため台風や積雪などの自然災害の影響を受けやすく、この災害対策に関していうと万全の対策というものは存在せず、テレビアンテナ設置の専門業者も各社工夫を凝らして対応しているのが現状です。
例えば沖縄の台風や東北地方の豪雪のように、毎年特定の災害が起こることが予想できる地域であれば屋根裏や室内にアンテナそのものを入れてしまうという解決方法もあります。
建物の中では電波が弱まりやすいため受信可能なエリアや機器に限界があるものの、アンテナが折れたり飛ばされたりする物理的なアンテナトラブルは回避することができます。
また、どうしても電波が弱い場合でもブースターを設置して電波を増幅することで、テレビを快適に視聴できるようにすることも可能です。
交換後の古いアンテナの処分方法はどうすればよいですか?
一般的にアンテナ専門業者などは古いアンテナを業者側で破棄してくれることがほとんどですが、まれに家電量販店などでは依頼者側での処分を求められることがあります。
このようなケースで、多くの方がアンテナの廃棄方法がわからずに困ってしまうようです。
屋根の上に設置されているアンテナは小さく見えますが、実際に八木式アンテナをみてみると全長1〜2m、重さは10キロほどになることもあり、とても大きなものです。
もしご自身で処分する場合は、自治体によって方法が異なるため各自問い合わせなければなりません。
基本的には処分料金やゴミ収集場に持ち込むための手間がかかるケースが大半です。
簡単にゴミ袋に入れて処分することはできませんのでご注意ください。
BS放送だけが映りが悪くなるのですが?
地上デジタル放送のチャンネルが問題なく視聴できるのに、BSやCSなどの衛星放送が映らなくなったというご相談をいただくことがあります。
これは地上デジタル放送用のアンテナと衛星放送用のパラボラアンテナが、それぞれ別の製品であるために発生します。
基本的に八木式アンテナなどの地上デジタル放送用のアンテナは受信感度もよく、ある程度の方角のズレで完全にテレビが映らなくなることはありません。
しかしその一方で衛星放送用のパラボラアンテナは、わずか1mm向きが変わっただけでも電波を受信できなくなり、テレビの映像が乱れてしまうことがあります。
特にお椀型であるパラボラアンテナは台風や暴風などの影響を受けやすく、災害後に地デジ放送は問題ないのに衛星放送だけ映らなくなるというお問い合わせも多いです。
このようなケースではアンテナ専門業者にご相談いただければ、すぐに専用の機器を用いて角度の再設定を行いますのでお気軽にご相談ください。
パラボラアンテナの仕様書に書かれた「110度」とは何ですか?
衛星放送のアンテナを調べるとよく目にするのが「110度(110℃)」という数字です。
これはそれぞれ電波の受信元である人工衛星の位置を表しており、ほかにも「124度」と「128度」のパラボラアンテナが存在します。
日本の衛星放送やスカパー!では、110度(110℃)の位置にある人工衛星を利用しているため、仕様書には「110度(110℃)」とパラボラアンテナの種類が記載されています。
そのほかにも「【2022年最新版】アンテナ工事を依頼する時に気をつけるべきこと」などもまとめていますので、合わせてご確認ください。
以上、2022年最新版のテレビアンテナ設置工事にまつわる全ての事柄をまとめて解説させていただきました。
ご質問などありましたら、地デジやドットコムまでお気軽にお問い合わせください。
24時間専門知識を持つスタッフが対応させていただきます。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。