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ボックス状のアンテナの正体とは?お洒落でスッキリな見た目のデザインアンテナ
アンテナと言えば、屋根の上に立っている矢印の形をしたアンテナしかないと誤解されている方が、実は大勢います。
比較的新しい住宅や、外観を気にされているご家庭では、昔ながらのアンテナを設置せずにボックス状のアンテナを取り付けられるケースが増加しています。
この「ボックス状のアンテナ」は、アンテナ工事業界ではデザインアンテナと呼ばれており、将来的には主流の製品になると予想されているものです。
日常生活の中では、あまり気にされることが少ないアンテナ事情について、最新トレンドであるデザインアンテナをご紹介いたします。
目次
ボックス状のアンテナ「デザインアンテナ」
プラスチック樹脂などで覆われているボックス状のアンテナであるデザインアンテナは、外観がすっきりとしており、建物の見た目にこだわるご家庭を中心として人気を集めています。
ボックスの色合い(カラー)は、清潔感のある白色(ホワイト)に加えて、和風のご家庭に合わせやすいブラウンや、近代的な一戸建てに合いやすいブラックなど様々です。
基本的にはボックスの色が違ってもアンテナの性能そのものは同じですので、建物の外観にマッチしやすい色を自由に選択することができます。
このように、ボックス状のすっきりとした形状に加えて、カラーリングを自由に選べることも「デザインアンテナ」と呼ばれている理由です。
デザインアンテナの設置場所
ボックス状のデザインアンテナの特徴のひとつとして、屋根の上に設置しなくても良いという利点があります。
これまでのタイプのアンテナは、必ず建物などによって遮蔽される場所を避けて設置することが求められていたため、結果的には屋根の上に設置されるケースが大半でした。
なかには屋根の上にはどうしても設置したくないという理由で、自宅の敷地内にアンテナ専用の電柱を立てられるケースもありましたが、費用的には大きな負担になることがネックでした。
このようなアンテナに関する悩みを解消したことが、デザインアンテナの強みです。
ボックス状のアンテナは、ご自宅の建物の壁面や屋根裏、あるいはリビングやバルコニーなどに取り付けることが可能です。
アンテナを屋根の上に付けるメリット・デメリット
これまでアンテナの定位置だった屋根の上ですが、デザインアンテナの登場によって状況が変わってきています。
屋根の上にアンテナを設置することのメリットとデメリットについて、まとめると以下のようになります。
メリット
・テレビ電波の受信効率が最も良い
・日常生活では気にならない
デメリット
・アンテナ工事で屋根に登る機会が増える
・暴風雨などの影響をモロに受ける
特にアンテナを屋根の上に取り付けることについて多くのご家庭で懸念されるのは、工事業者などが屋根の上を歩くことによって、瓦や屋根板などが傷んでしまうという点です。
もちろん、プロのアンテナ工事業者では屋根へのダメージを最小限にするように努めていますが、アンテナを屋根の上に設置しないことによって、問題が根本的に解決します。
矢印型とボックス状のアンテナの違い
旧来タイプの矢印型のアンテナは、一般的に「八木式アンテナ」と呼ばれています。いわゆる屋根の上に設置されているものです。
八木式アンテナは、日本にテレビが普及するなかで、室内に設置されていたアンテナから徐々に切り替えられていきました。
正式な統計資料はありませんが、日本国内に設置されているアンテナのうち少なくとも9割以上は八木式アンテナであると推測されます。
矢印型のアンテナの特徴は、シンプルな棒状のパーツを組み合わせて構成されていることで、製造が容易で、壊れにくく、価格も安いことなどが挙げられます。
では、ボックス状のデザインアンテナにはどのような特徴があるのかについて、いくつかのポイントを選びながらご紹介します。
デザインアンテナの内部は確認できない
構造のすべてが外部から確認することが可能な八木式アンテナと比べると、デザインアンテナは表面をボックス状のプラスチック樹脂で覆われているため、内部を確認することができません。
テレビ局や電波塔などから発信された電波を受信するという目的は、八木式アンテナでもデザインアンテナでも同じですが、電波を受け止める方法に違いがあります。
八木式アンテナの場合には、中心となる骨組みから左右に伸びている素子が、テレビ電波を受け止める役割を担っています。
そして、電波を受信する能力は、基本的に素子の本数が多ければ多いほど、性能が高いです。
一方のデザインアンテナの場合には、装置を分解してみても素子に相当するパーツは無く、金属製の板のような部分で電波を受け止める方式になっています。
このため、デザインアンテナの電波を受け止める性能を表す際には「素子〇本相当」などと素子の数が表記されていることが多いですが、実際にはどこにも素子はありません。
デザインアンテナの電波受信性能
八木式アンテナとデザインアンテナの違いとして一般的に説明されている文章のなかでは、デザインアンテナの方が受信能力が弱いという解説が目立ちます。
実際、同じエリアに設置された八木式アンテナとデザインアンテナでは、やはり八木式アンテナの方が強い電波を拾っていることが多いです。
ただし、そもそも設置場所が異なる2種類のアンテナですので、単純に比較することは難しいです。
屋根の上に設置された八木式アンテナは、建物に遮蔽されることなくテレビ電波を受け止めることができますので、設置場所そのものが非常に有利な環境です。
デザインアンテナは、建物の壁面に設置されることが多く、また屋根裏などの建物の内部に設置されるケースもあるため、テレビ電波を受信するには不利な場所にあります。
このため、テレビ電波の弱いエリアにお住まいの方の場合には、どうしてもデザインアンテナを設置することができず、渋々ながら八木式アンテナを選ばざるをえないケースもあります。
しかし、日本のテレビ電波網は常に改善され続けているため、国内の多くのエリアではデザインアンテナであっても十分に電波を受信して、テレビ番組を視聴することが可能です。
自然災害に弱いのは八木式アンテナ
アンテナの設置場所の違いによって、デザインアンテナは「電波の受信能力が弱い」という表記がされていますが、一方ではデザインアンテナは「自然災害に強い」とも言われています。
この理由は、やはり2種類のアンテナの設置場所によるもので、屋根の上に直立した状態で設置されている八木式アンテナよりも、軒下の壁に張り付くように設置されているデザインアンテナの方が暴風雨などの影響を受けにくいです。
ただし、八木式アンテナは、骨組みだけのシンプルな構造であることで、雨や風などの影響を受けにくい構造になっていますので、多少の風雨によって破損することはありません。
飛来物が衝突したり、屋根そのものが崩壊してしまうような激しい雨風でなければ八木式アンテナであっても問題が生じることは稀ですので、ご安心ください。
一部では、デザインアンテナへの付け替えを煽る業者が「八木式アンテナは自然災害に弱い」と強調した営業活動を行っていることがあるようです。
しかし、現在の日本ではアンテナの大半を八木式が占めており、強い雨風があるなかでも安定したテレビ視聴ができていることの方が多いです。
もちろんデザインアンテナの方が自然災害に強いことは間違いありませんが、特に台風が数多く到来するエリアでない限りは、急いで八木式アンテナからの乗り換えをする必要はないでしょう。
価格の差は縮まってきている
地上デジタル放送への移行後に普及が始まったデザインアンテナは、一般家庭に導入され始めてから10年ほどしか経過していません。
このため、供給量が少ないことで価格が下がらない状態が続いていましたが、このところ新築のご家庭や、アンテナの付け替え時期にはデザインアンテナを選ばれるケースが増えてきたため、販売価格が安くなる傾向にあります。
なかには八木式アンテナよりも安い価格で販売されているデザインアンテナもあり、2種類のアンテナの価格差は縮まっています。
同じ電波受信能力のアンテナを比較した場合には、依然として八木式アンテナを選ぶ方がコストを抑えることができることは事実ですので、その他の要素も見比べながら選択するのが良いでしょう。
アンテナは10年以上もの長期にわたって使用できる機器ですので、ご使用になられる環境に合わせて、価格だけでなく総合的な判断でアンテナを選ぶようにしてください。
屋根の上に立つボックス状のアンテナは何?
さて、ここまでは旧来型の矢印状の八木式アンテナと、壁にすっきりと取り付けられるお洒落なデザインアンテナという2種類のアンテナについてご紹介してきました。
しかし、このところ急激に注目度を増しているのが、屋根の上に取り付けるボックス状のアンテナ「ユニコーンアンテナ」です。
ご近所の屋根の上に垂直に立っているボックス状のアンテナを見つけられた場合には、形状はデザインアンテナと似通っていますが、それはユニコーンアンテナである可能性が高いです。
ユニコーンアンテナの特徴
ユニコーンアンテナは、設置場所は八木式アンテナと同じく屋根の上で、外観のお洒落さはデザインアンテナと同じという、これまで紹介した2種類のアンテナの特徴を併せ持ったハイブリッドなアンテナです。
設置場所によるユニコーンアンテナの特徴
ユニコーンアンテナは屋根の上に取り付けますので、八木式アンテナと同じように周辺に飛んでいるテレビ電波をしっかりと受け止めることができます。
デザインアンテナが壁付けの構造であるために電波の受信能力が損なわれているという欠点を、ユニコーンアンテナは設置場所によって補っています。
ただし、ユニコーンアンテナの設置に当たっては、必ずアンテナ工事の専門業者に依頼する用意してください。
全てのタイプのアンテナについて同じことが言えますが、アンテナに関する知識や経験がない方が設置工事を行うことによって、アンテナが持つ本来の能力を最大限に発揮できないケースが多くなります。
ユニコーンアンテナの自然災害への強度は?
暴風雨などの自然災害への強度では、屋根の上という設置場所のため、やはり飛来物などが直撃することでユニコーンアンテナは破損してしまう可能性はあります。
ただし、ユニコーンアンテナの設置に当たっては、十分な強度を持った支柱を立てるため、風雨だけで角度が変わってしまったり、本体が損傷することはほとんどありません。
八木式アンテナとデザインアンテナの比較で解説した通り、特に台風が多く到来するエリアを除いては、アンテナの強度は高いですので、どのタイプのアンテナを選んでも問題ありません。
ユニコーンアンテナは、電波を受信するための装置をボックスの中に収めることによって、外部からの衝撃やダメージを受けにくい構造となっています。
ボックス状のアンテナまとめ
日本国内で最も多く普及している矢印型の八木式アンテナと比べると、まだまだ見慣れていないボックス状のアンテナであるデザインアンテナとユニコーンアンテナについて、ご紹介しました。
人生で最も高い買い物とも言われる「新居」を購入された方が、外観へのこだわりからデザインアンテナを採用されるケースが増加傾向にあります。
また、これまで八木式アンテナを使用されてきたご家庭でも、テレビの映りが悪くなったと感じられた際に、付け替え工事のタイミングでデザインアンテナを選択されるケースも目立っています。
アンテナ工事の専門業者である私たち地デジやドットコムでは、どのタイプのアンテナにもメリットとデメリットがあるという認識を持っており、地域や建物などに合わせて最適なアンテナをご提案しています。
地域の特性に合わないアンテナや、設置方法が間違っているアンテナでは十分な電波を受信することができず、せっかくアンテナを新調しても思うようなテレビ視聴ができないことがあります。
アンテナに関する幅広い知識や経験、アンテナ設置工事のための機材や道具、24時間体制の電話受付など、地デジやドットコムでは万全の体制を整えて、皆さまのアンテナに関するお悩みやご相談を受け付けております。