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アンテナ工事ができない屋根がある?材質や勾配の種類から断られる理由まで徹底解説
テレビアンテナは障害物があると電波を遮られてしまうため、できるだけ受信環境を良くするために、見晴らしの良い屋根の上に設置するのが望ましいとされています。
実際にほとんどの方は、アンテナ工事といえば屋根の上で、命綱をつけた作業をイメージするでしょう。
しかし、ひとくちに屋根といっても、その材質や勾配などはさまざまであり、ご家庭の屋根の種類によってはアンテナ工事が難しいケースもあります。
そこで今回は、アンテナ工事を行う屋根材や勾配の種類を詳しくご紹介し、どのような材質・形状の屋根がアンテナ設置に適さないのかを解説します。
後半では、屋根のアンテナ工事を断られる理由や、屋根以外にアンテナを設置可能な場所まで詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
屋根材の種類
日本の屋根といえば「瓦」のイメージがありますが、近年は洋風住宅の増加や建築資材の多様化により、屋根の材質の種類にはさまざまなものがあります。
基本的にアンテナ工事はどのような材質の屋根でもおこなうことができますが、特殊な屋根材の場合は、完成度が施工する業者の経験に大きく左右されることを覚えておきましょう。
瓦屋根(かわらやね)
瓦は日本における代表的な屋根材のひとつです。
粘土を焼き固めてつくられているため耐久性が高く、日本家屋用の和瓦や洋風住宅用の洋瓦、釉薬で耐久性を高めた釉薬瓦(陶器瓦)、耐久性の高い防災瓦など、豊富な種類があります。
瓦屋根のアンテナ工事では、屋根の天辺に屋根馬という基礎を置き、アンテナ設置を行うのが一般的です。
ただし瓦は一点に圧がかかると割れやすいため、アンテナ工事では屋根材を傷つけないように瓦の重なった合わせ面を慎重に移動しながら行う必要があります。
スレート屋根
スレートとは、セメントを1畳ほどの大きさの薄い板状に加工した屋根材です。
低価格でデザインや色が豊富で、耐震性が高いため、現在日本で一番普及しています。
スレート屋根にアンテナを設置する場合、つなぎ目が特に破損しやすいため、屋根馬の固定や足の置き場には注意が必要です。
また、スレートは耐久性が低いため5年ごとにメンテナンス業者が屋根に登ることや、アンテナの錆や水の跡が目立ちやすいことも意識しながら施工を行います。
トタン屋根
トタンとは、鉄板を亜鉛メッキで覆った比較的安価に施工可能な屋根材です。
軽量なため家屋への負担が少なく、雨漏りしにくい形状なので、家屋のほかに倉庫などでも使用されています。
アンテナ工事は問題なく行うことができますが、トタンは錆びやすいためこまめな定期点検が必要です。
ガルバリウム鋼板屋根
ガルバリウム鋼板は、薄い鋼板をアルミや亜鉛、シリコンメッキで覆った屋根材です。
トタン屋根に比べて錆びにくいことや、加工のデザイン性が高く20年以上長持ちするため、現在の家屋の金属屋根のほとんどでガルバリウム鋼板が使用されています。
金属屋根は金具の接地面が滑りやすいため、アンテナ工事では屋根馬やワイヤーなどを頑丈に固定するなど、アンテナ倒壊を防ぐ工夫が必須の屋根材です。
ステンレス屋根
ステンレス屋根とは、ステンレスを主原料とした屋根材です。
ステンレスは錆びにくいため、塩害を受ける可能性が高い海岸沿いの住宅で使用されています。
ステンレス屋根でも問題なくアンテナ工事は可能ですが、塩害を受けることを想定して設置するアンテナも防塩加工がされた製品を選択するのがおすすめです。
また、ステンレス屋根はやや傷が付きやすいため、施工の際は屋根材に傷をつけないように注意しながら行います。
アスファルトシングル屋根
アスファルトシングルとは、ガラス材にアスファルトを浸透加工し、粒状の石材で覆って着色したシート状の屋根材です。
薄く軽いため石材が強風でめくれやすいというデメリットはあるものの、軽量で扱いやすく豊富なカラーバリエーションがあるため、洋風の注文住宅などで主に使用されています。
アスファルトシングル屋根は割れにくく、錆や水跡も残りづらいという特徴があるため、アンテナ工事をスムーズに行うことができる屋根材です。
茅葺き屋根
茅はイネ科の植物で、時代劇に出てくるような古い日本家屋で使用されている屋根材です。
現在日本では建築基準法や消防法により、可燃性が高すぎるため特例地域を除く新築物件への使用が禁止されています。
そのため茅葺き屋根へのアンテナ施工はほぼありません。
銅屋根
銅は日本の気候に最適な屋根材で、主にお寺や神社などに使用されています。
耐久性が高くメンテナンスの手間がかからないというメリットがあるものの、施工に技術が必要なので非常に高価で、一般家屋で使用されることは滅多にありません。
そのため、銅屋根へのアンテナ施工は不可能ではないものの、ほぼご依頼はありません。
アンテナ工事ができる屋根の勾配の種類
アンテナ工事ができる屋根勾配は3寸~5寸(約16.7度~26.6度)で、6寸以上の屋根は急勾配として扱っている業者が一般的です。
屋根材によって雨漏りを防ぐために必要な勾配があり、瓦屋根は4寸(4/10勾配)以上、スレート屋根は3寸(3/10勾配)以上、金属屋根なら1寸(1/10勾配)以上と決まっています。
6寸以上の急勾配では、屋根上ではなく壁面や破風板、屋根裏などにアンテナを設置するのが一般的です。
なおこの屋根勾配は、屋根材の種類以外にも屋根の形状によって角度がきまるため、ご自宅の勾配が気になる場合は屋根の形をチェックしてみましょう。
切妻屋根(きりづまやね)
切妻屋根は日本で最も一般的な屋根の形状です。
本を半分開いて伏せたような三角なので、三角屋根とも呼ばれます。
シンプルな作りですが雨や雪に強く雨漏りしにくいことが特徴です。
アンテナ工事では屋根の一番高い天辺に屋根馬を設置し、四方をワイヤーで固定します。
屋根勾配もほとんどが5寸以下で屋根面積も広いため、比較的スムーズにアンテナ工事を行うことが可能です。
寄棟屋根(よせむねやね)
寄棟屋根は、頂点から4面の屋根勾配がある四角錐の形状をした屋根です。
雨雪のほか強風にも負けない耐久性を誇りますが、やや高価であり屋根裏が狭くなることがデメリットです。
寄棟屋根のアンテナ工事では、切妻屋根と同様に屋根馬にアンテナを設置したあと、ワイヤーで四方から固定します。
寄棟屋根もよっぽどの急勾配でなければ、問題なくアンテナ工事を行うことができるでしょう。
片流れ屋根(かたながれやね)
片流れ屋根は、切妻屋根を半分にしたような、直角三角形の形状をした屋根です。
一方向のみに勾配があり、屋根馬を固定できずバランスをくずすため、片流れ屋根にアンテナを設置することはできません。
そのため片流れ屋根では、屋根上設置が必須の八木式アンテナではなく、軽量のデザインアンテナやユニコーンアンテナを破風板や外壁に設置するのが一般的です。
段違い屋根(だんちがいやね)
段違い屋根は、三角屋根を段違いにずらして合わせた形をしており、差掛屋根(さしかけやね)や招き屋根ともよばれます。
屋根と屋根の間に壁があることで、屋内に採光できるほか、屋根裏が広く取れることが特徴です。
ただし屋根馬を置く場所がないため、片流れ屋根と同様に段違い屋根にはアンテナを屋根上に設置することはできません。
そのため外壁や破風板に設置できる、軽量のデザインアンテナやユニコーンアンテナを検討しましょう。
陸屋根(りくやね、ろくやね)
陸屋根とは、勾配のない平らな屋根のことです。
別名、平屋根(ひらやね)やフラット屋根ともよばれ、屋根を屋上として活用できるメリットがあります。
屋根が平らで屋根馬を安定して固定することができ、比較的自由な場所にアンテナを設置することが可能です。
越屋根(こしやね)
越屋根とは、切妻屋根の上にもうひとつ小さな三角屋根が乗っている形状の、日本の伝統的な屋根です。
昔は屋根と屋根との間に窓を設け、囲炉裏の煙出しなどに活用されていました。
越屋根でアンテナ工事を行う場合は、屋根の形状や大きさによって異なるものの、基本的に設置可能です。
ただし歴史的景観を損ねたり、うまく設置できない場合は、外壁へのアンテナ設置をおすすめします。
屋根上へのアンテナ工事を断られる理由3選
屋根にはさまざまな素材や形状があるため、必ずしもすべての屋根にアンテナが設置可能なわけではありません。
もちろん依頼するアンテナ業者のノウハウや経験にもよりますが、そもそもアンテナ設置に適さない屋根は一定数存在します。
そこでここでは、アンテナ工事を断られてしまいやすい屋根の特徴を3つご紹介しますので、参考になさってください。
なお、もしこの特徴に当てはまる住宅にお住まいの場合も、プロの業者であれば対応可能な場合もあります。
その場合は施工実績の多いアンテナ専門業者へ相談してみましょう。
6寸以上の急勾配の屋根
日本の多くの家屋は屋根勾配が3寸~5寸(約16.7度~26.6度)であり、それより急な6寸以上の傾斜は急勾配とみなされます。
屋根上でのアンテナ工事は高所作業であり、命綱が必須の危険な施工です。
そのため6寸以上の勾配では、作業員の安全を守るための専門設備やノウハウ、アンテナが倒壊しないようにするための精密な施工が求められます。
しかし経験の少ないアンテナ業者や、片手間でアンテナ工事を請け負っているような業者はそういった技術が不足しているため、6寸以上の屋根での工事を断っている事が多いです。
もし6寸以上の屋根勾配がある住宅にお住まいの場合は、アンテナ工事を専門に請け負う業者であれば依頼を受けてくれるケースもあるため、まずはプロに相談してみましょう。
片流れ屋根や段違い屋根
片流れ屋根や段違い屋根は屋根馬を固定できないため、原則屋根上へのアンテナ設置はできません。
そのため、この2種類の屋根でアンテナ工事を行う場合は、屋根上に設置する八木式アンテナではなく、コンパクトサイズのデザインアンテナやユニコーンアンテナを選択しましょう。
なお、デザインアンテナやユニコーンアンテナは壁面に設置する場合、充分な電波を受信できるよう精密な角度調整が求められます。
もしどこにアンテナを設置していいかわからなくても、プロの業者であれば専門の電波計測器(レベルチェッカー)を用いて最適な場所を提案してくれるため、安心です。
屋根材が劣化している築年数の古い家屋
プロのアンテナ業者であれば、屋根材の種類に関わらずアンテナ工事を行うことが可能です。
しかし、築年数の経過した古い日本家屋など、屋根材が劣化してアンテナの重量や作業員の歩行に耐えられないと判断した場合、アンテナ工事が断られてしまうことがあります。
壁材の劣化なども同様で、はしごがかけられない、工事で破損するほど弱っている場合は、転落事故の危険があるため多くのアンテナ業者は屋根上での工事を引き受けていません。
もしどうしても屋根上にアンテナを設置したい場合は、大掛かりな工事用足場を組むことも不可能ではありませんが、非常に高額で日数のかかる工事になります。
築年数の経過した家屋でのアンテナ工事については、「アンテナと築年数の関係を解説!」の記事を参考になさってください。
アンテナ工事ができない屋根まとめ
屋根とひとくちにいっても、材質や勾配、屋根の種類、築年数など、アンテナの設置環境はご自宅によってさまざまです。
そのなかで、アンテナ工事が断られる可能性があるのは「6寸以上の急勾配」「片流れ屋根・段違い屋根」「劣化が激しい屋根」の3つです。
もちろん経験豊富なプロの業者であれば、難しい条件でも屋根上にアンテナを設置することは不可能ではありません。
しかし、アンテナ設置後のメンテナンスの安全性や、将来の交換工事のタイミングで屋根材が劣化している可能性などを考慮すると、無理をして屋根上に設置することはおすすめできないケースがほとんどです。
もし「家の屋根が急勾配で、ほかの業者に断られた」「家が古いから工事が心配」「きちんと工事してくれるプロの業者に任せたい」とお困りの方は、いちど地デジやドットコムまでお問い合わせください。
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