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地デジアンテナケーブルの種類や選ぶポイント、交換方法、注意点などを解説
地デジアンテナのケーブルについて「アンテナケーブルの種類や選ぶポイントを教えてほしい」「アンテナケーブルの交換方法や注意点を知りたい」など疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
多数の地デジアンテナケーブルがあるため、特徴や種類、違いを理解し、状況に合ったケーブルを選ぶことが大切です。ケーブルが原因でテレビ映りが悪い場合は、新しいケーブルに交換することでテレビ映りが改善されます。
ここでは、地デジアンテナケーブルの種類や選ぶポイント、交換方法、注意点などについて解説します。アンテナケーブル購入を検討している方やテレビ映りが悪くて困っている方は、ぜひご覧ください。
目次
地デジ映りに影響が出るアンテナケーブルのトラブル
地デジアンテナケーブルにトラブルが発生すると、テレビが電波を受信できなくなります。どのようなトラブルが発生するのかを知っておくことで、スムーズな対応が可能です。
ここでは、地デジ映りに影響が出るアンテナケーブルのトラブルについて見ていきましょう。
断線している
地デジ映りが悪い場合は、アンテナケーブルが内部で断線している可能性があります。ケーブルが断線していると、電波を受信できなくなるので地デジが映らなくなってしまいます。
地デジアンテナのケーブルはシース(外径)が塩化ビニルや黒色ポリエチレンであることが多いです。ケーブルが完全に断線している場合はひと目で異常に気づけますが、塩化ビニルなどでケーブルが保護されているため、内部が断線していても外からの様子ではわかりません。
そのため、電波を受信できず、自宅にテレビが複数台ある場合は、他のアンテナケーブルと変えるなどして状況に変化があるか確認しましょう。
地デジ映りが悪いときは、地デジアンテナのケーブルが断線していることがあることを覚えておきましょう。
接触不良を起こしている
アンテナケーブルが接触不良を起こしていることが、地デジ映りに影響している可能性があります。ケーブル内の芯線が短い場合や折れていると、テレビが電波を受信できません。
芯線が折れている場合は、テレビが映らなくなるので異常に気づける可能性があります。しかし、芯線が短い場合などは、ケーブルの異常に気づきにくいので注意が必要です。
芯線部分のトラブルで接触不良となり、地デジが映らないことがあることを把握しておきましょう。
劣化して電気を通さない
地デジアンテナのケーブルが劣化すると、電気を通さず、テレビが映らなくなることがあります。アンテナケーブルも消耗品のため、長く使っていると劣化して異常が発生してしまいます。
同じアンテナケーブルを長期間使用している場合は、新しいアンテナケーブルへの交換を検討したほうが良いでしょう。
地デジアンテナのケーブルの寿命
地デジアンテナケーブルの寿命は明確に「◯年」と決まっていません。しかし、地デジアンテナケーブルやアンテナ本体、周辺機器などは、一般的に「10年程度で寿命を迎える」と言われています。
もちろん、使用環境や使い方によっては、10年より早く寿命を迎えることもあれば10年〜20年問題なく使える可能性もあります。
地デジアンテナケーブルを使い始めて10年経つ場合は、ケーブルに不具合・劣化がないか確認してみましょう。
地デジアンテナのケーブルを変えるとどうなる?
断線や劣化など、問題のある地デジアンテナケーブルだとテレビが電波を受信できません。電波を受信できないと、地デジが映らなくなります。
新しい地デジアンテナのケーブルに変えることで、テレビが電波を正常に受信できるようになり、テレビ映りが改善されます。アンテナケーブルに問題がある場合は、すぐにケーブル交換を行いましょう。
地デジアンテナのケーブルの種類
地デジアンテナのケーブルは「室内用」「室外引き込み用」「屋外用(長沢ケーブル)」の大きく3種類に分けられます。それぞれで用途や特徴が異なるため、違いを理解しておくことが大切です。
ここでは、地デジアンテナケーブル3種類の用途や特徴について見ていきましょう。
室内用
室内用のケーブルは、テレビ本体と外付けレコーダーやテレビコンセントを繋ぐ際に使います。そのため、室内用テレビケーブルの両端にはプラグがついています。F型、L字型など端子の形はそれぞれで異なるため、環境に合わせて使い分けることが可能です。
室内用ケーブルは、1〜5m程度の長さで販売されていることが多いです。
室外引き込み用
室外の引き込み用ケーブル(フラットケーブル)もあります。フラットケーブルは、サッシなどのすき間を通すことができます。そのため、工事を行わなくても、地デジアンテナをテレビに接続することが可能です。
フラットケーブルはアンテナ本体とテレビを直接繋ぎます。テレビコンセントを介さないため、長さが8〜10m前後のケーブルもあります。
屋外用(長沢ケーブル)
屋外用(長沢ケーブル)は、主に地デジアンテナ業者が使用するケーブルです。戸建ての引き込み口と地デジアンテナ本体を繋ぐ際などに使います。ケーブルの両端にはプラグがついていないため、接続の際は加工が必要です。
アンテナ本体と引き込み口を繋ぐため、長さが100mのケーブルもあります。
地デジアンテナのケーブルの先端種類
地デジアンテナのケーブル先端には「S型」「L字型」「F型」「複合型」などの種類があります。それぞれで特徴が異なりますので、違いについて理解しておくことが大切です。違いを知ることで、自宅に合った地デジアンテナのケーブル選びがやりやすくなります。
ここでは、地デジアンテナのケーブルの先端種類について確認していきましょう。
S型
地デジアンテナケーブルのプラグの形状で多いのが、S型です。S型とはストレートプラグのことで、プラグの内側にネジの溝がありません。端子に対してまっすぐで、さまざまな機種に対応しています。
ストレートプラグの使い方は簡単で、壁端子やテレビに挿し込むだけです。一般的な住宅、テレビはS型(ストレートプラグ)が多いです。
L字型
L字型は、ケーブルのプラグ先端がL字になっているのが特徴です。プラグ式とねじ込み式のどちらにも対応しています。L字になっているため、ケーブルを壁や地面に這わせたときにおすすめです。テレビと壁のスペースが狭くても、スムーズに接続可能です。テレビ端子が高い位置にあるときにもL字型が活躍します。
通常のアンテナケーブルを折り曲げて使用すると断線の原因になります。スペースを有効活用したいときに役立つのがL字型です。
F型
地デジアンテナケーブルのF型プラグは、ねじ込み式です。最近の住宅や液晶テレビなどはF型のプラグに対応しているケースがほとんどです。ネジで固定する仕組みなので、接触不良を防ぎます。しっかりと固定されるので、プラグが簡単に抜けて困ることもありません。
ペットや小さな子どもがいる場合にも安心です。
複合型
複合型の地デジアンテナケーブルのプラグもあります。複合型とは、片方のプラグがL字型で、もう片方のプラグがF型のように、2種類のプラグ形状が採用されたケーブルのことです。
S型は一般的な住宅やテレビに対応していて、L字型は狭い場所でも無理なく接続ができ、F型はネジでしっかりと固定できます。
複合型のケーブルであれば、これら形状別のメリットを組み合わせて使えます。
たとえば、テレビと壁の端子を繋げる場合はL字型とS型、新築住宅の場合はF型とL字型、ケーブルが抜けるのを防ぎたいならF型とF型、テレビとレコーダーを繋げるならS型とS型など、用途に合わせた選択が可能です。
複合型プラグは使い勝手が良いため、地デジアンテナ設置の現場で使われることが多いです。
地デジアンテナのケーブルを選ぶときのポイント
地デジアンテナのケーブルを選ぶときのポイントは「対応放送」「ケーブルの規格、太さ」「ケーブルの長さ」の3つです。これらのポイントに注目することで、自宅に合ったアンテナケーブルを選べるようになります。
ここでは、地デジアンテナのケーブルを選ぶときのポイントについて見ていきましょう。
対応放送
地デジアンテナのケーブルを選ぶときのポイントとなるのが、対応放送です。ほとんどのアンテナケーブルは、地デジ放送やBS・CS放送に対応しています。しかし、4Kや8Kなどには対応していないアンテナケーブルもあります。
新しいアンテナケーブルを購入するときは、BS放送や4K・8Kなどに対応しているかどうか確認するようにしましょう。新しいテレビを購入する際も同様です。
アンテナケーブルがどの放送に対応しているかは、製品パッケージで確認できます。
ケーブルの規格、太さ
規格、太さも地デジアンテナのケーブルを選ぶときのポイントです。一般的に、家庭用アンテナケーブルには2C〜5Cの規格があり、数字が大きいほどケーブルは太くなります。
アンテナケーブルの規格と主な用途は、次のとおりです。
・2C:室内のテレビ周辺で使う
・3C:室内のテレビ周辺で使う
・4C:室内での接続に使う
・5C:室内と屋外で使う
太いケーブルと細いケーブルのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
・太いケーブル
メリット:曲げても断線しづらい、ノイズが発生しづらい
デメリット:折り曲げしづらい、細かな配線がしづらい
・細いケーブル
メリット:細かな配線がしやすい、見た目がスッキリする
デメリット:曲げると断線しやすい、ノイズが発生しやすい
また、アンテナケーブルは太いほど減衰量が少なく、細いほど減衰量が多くなります。減衰量は、伝送する電波が弱くなる(減少する)ことです。そのため、5Cなどアンテナケーブルが太いほど、減衰量は少なくなります。
地デジのアンテナケーブルを選ぶときは、規格や太さにも注目しましょう。
ケーブルの長さ
地デジのアンテナケーブルを選ぶときのポイントが、ケーブルの長さです。一般的に、規格によって推奨されている長さは以下のとおりです。
・3C:3m以下
・4C:10m以下
・5C:10〜20m
部屋の大きさやアンテナ本体からテレビまでの距離を確認し、適切な長さのアンテナケーブルを選ぶようにしましょう。
地デジアンテナのケーブル品番の見方
地デジアンテナケーブルの品番の見方を知っておくと、ケーブル選びの際に役立ちます。「S-5C-FB」など、ケーブルの品番を見ればどのようなケーブルかわかるからです。
品番が「①-②③-④⑤」だとした場合、それぞれの数字・アルファベットは次のようなことを表します。
①:「S」の場合はBS/CS(2600Hz)に対応している。①に表記がないときはBS/CSに対応していない。
②:「2」は直径4mm、「3」は直径5.4mm、「4」は直径6mm、「5」は直径7.7mmなどケーブルの太さを表す。
③:「C」の場合は75Ω(テレビ用)、「D」の場合は50Ω(無専用)などケーブルのインピーダンスを表す。
④:「F」の場合は発泡ポリエチレン、「2」の場合はポリエチレンなどケーブルの材質を表す。
⑤:「B」の場合はアルミ箔テープ付き銅編線組、「V」は編線組一重、「W」は編線組二重、「T」は編線組三重など編線組の種類を表す。
高画質で地デジを見るためのケーブルは
「テレビを買い替えるのでケーブルも新しくして高画質で楽しみたい」という場合は、4Kや8Kに対応しているアンテナケーブルを選びましょう。テレビとアンテナケーブルが4K・8Kに対応していれば、高画質な映像を楽しめるようになります。
最近販売されているアンテナケーブルのほとんどが4K・8Kに対応しており、1000円程度で購入できるケーブルもあります。探せばリーズナブルなアンテナケーブルが見つかりますので、経済的な負担は大きくありません。
ただし、4K・8K対応のアンテナケーブルにしても、テレビが対応していなければ、4K・8Kの映像は楽しめないので注意してください。
地デジアンテナケーブルを交換する流れ
地デジアンテナのケーブルを交換する場合は、5つのステップで進めます。流れを知っておくことで、スムーズに交換できるようになります。
ここでは、地デジアンテナケーブルを交換する流れについて見ていきましょう。
1.テレビの主電源を切る
地デジアンテナのケーブルを交換するときは、テレビ本体の主電源を切るようにしてください。テレビに限ったことではありませんが、ケーブルを交換・接続する場合は、安全上の観点から機器の電源を落としておくのが基本です。
テレビ本体のコンセントを抜き、主電源を落としましょう。
2.既存のケーブルを取り外す
テレビの主電源を切ったあとは、これまで接続していた既存のアンテナケーブルを取り外します。アンテナケーブルが固く外しにくいときは、強引に抜かないようにしてください。強引に抜いてしまうと、テレビ側の端子が傷んでしまう可能性があります。
3.新しいケーブルを繋ぐ
既存のアンテナケーブルを抜いたあとは、新しいケーブルを繋ぎます。アンテナ端子は、地デジ放送とBS/CS放送の両方に対応しているものと、どちらか一方にしか対応していないものがあります。アンテナ端子が2つある場合は、地デジ放送が上の端子、BS/CS放送が下の端子であることが多いです。事前に確認しておきましょう。
4.テレビの電源をつける
新しいアンテナケーブルを接続したら、テレビの主電源をつけます。新しいアンテナケーブルを繋ぎ終わるまで、テレビの電源はつけないようにしてください。
5.受信レベルを確認する
テレビをつけたら、アンテナの受信レベルを確認してみてください。多くのテレビはアンテナの受信レベルをチェックできるようになっています。受信レベルが高ければ、安定した受信環境でテレビ視聴を楽しめます。
地デジアンテナケーブルの周辺機器
地デジアンテナケーブルだけでなく、周辺機器についても把握しておくことは大切です。周辺機器の特徴や違いを把握しておくことで、テレビ映りが悪いときにさまざまな対処ができるようになります。
ここでは、地デジアンテナケーブルの周辺機器である「混合器」「分配器」「分波器」「増幅器」について見ていきましょう。
混合器
混合器は、ミキサーとも呼ばれる機器で、BS・CS、UHFなど複数の電波を1つにまとめる役割です。アンテナ本体から引いたケーブルをミキサーに接続するだけで1つにまとめられるので、使い方は簡単です。
分配器
分配器とは電波を同じ周波数で複数に分ける機器で、2台以上のテレビを用いるときに使用します。一般家庭で使う分配器には、2分配器や4分配器などがあります。ただし、分配器を使って電波を分ける場合、分けたあとの電波数が多くなるほど、一つひとつの電波は弱くなるので注意が必要です。
分配器を使ったことで電波が弱くなり、テレビ映りに影響が出た場合は増幅器(ブースター)を使いましょう。
分波器
分波器は、セパレーターとも呼ばれる機器で、電波を種類別に分けるのが役割です。一般的には、BS・CSの衛星放送とUHF・VHFの地デジ放送を2つに分けます。分波器を使って信号を分けることで、端子に接続できるようになります。
増幅器
増幅器(ブースター)は、アンテナが受信した電波を増幅する機器です。ブースターは、テレビ本体とテレビ端子の間に入って、信号を増幅させます。
「地デジアンテナの電波が弱い」「テレビを複数台に増やしたら映りが悪くなった」「地デジアンテナとテレビとの距離が遠い」などの場合にブースターを設置すると、テレビ映りを改善することが可能です。ブースターは屋外用、屋内用、地デジ用、BS/CS用など種類が分かれており、用途に合わせて選ぶ必要があります。
地デジアンテナケーブルを変えるときの注意点
地デジアンテナケーブルを変えるときの注意点を知っておくことで、ケーブル交換の失敗リスクを軽減できます。また、よりスピーディーにテレビ映りを改善することが可能です。
ここでは、地デジアンテナケーブルを変えるときの注意点について見ていきましょう。
既存のケーブルを確認したうえで新しいケーブルを購入する
地デジアンテナケーブルを新しいものに交換する場合は、必ず既存のケーブルを確認しましょう。
既存のケーブルの種類や長さを確認することで「もっと長いケーブルのほうが便利」「S型ではなくL字型や複合型にしたほうが良い」など、より使い勝手の良いケーブル選びができるようになります。
既存のケーブルを確認せずに新しいケーブルを購入すると、今より使い勝手が悪くなるかもしれません。
地デジ映りが悪いケーブル以外の原因も疑う
地デジの映りが悪いときは、アンテナケーブルの断線や劣化だけでなく、ケーブル以外の原因も疑うことが大切です。
・アンテナが傾いている
・アンテナ本体が劣化している
・周辺の高い建物が電波を遮っている
など、他にもさまざまな原因が考えられます。原因がアンテナケーブルではないのに、新しいケーブルに交換しても地デジ映りは改善しません。
地デジ映りが悪い原因を突き止め、原因に合わせて対処することが大切です。
交換に自信がないときはプロに任せる
「地デジアンテナケーブルを上手く交換する自信がない」「自分では失敗しそう」といった場合は、プロである地デジアンテナ業者に依頼をしましょう。地デジアンテナ業者に依頼すれば、確実に新しいアンテナケーブルへ交換してもらえるため、テレビ映りが改善されます。
また、テレビ映りが悪い原因がアンテナケーブルでないとわかった場合もすぐに対応してもらうことが可能です。
ただし、同じ工事内容でも、地デジアンテナ業者によって内容が変わってきます。地デジアンテナ業者を選ぶときは「実績」「評判」「費用」「スタッフの対応」などを複数業者で比較して、条件の良い業者を見つけましょう。
アンテナケーブルの交換に自信がないときは、プロに任せることを検討してみてください。
まとめ
ここでは、地デジアンテナケーブルの種類や選ぶポイント、交換方法、注意点などについて解説しました。
アンテナケーブルが断線や劣化していると、テレビが電波を受信できず、地デジが映らなくなります。アンテナケーブルを長期間使っている場合は、問題が発生していないか目視してみましょう。
地デジアンテナケーブルの交換に自信がない場合やテレビ映りが悪い原因がわからないときは、地デジアンテナ業者に相談してみてください。