テレビ電波の強電界地域について調べるとさまざまなアンテナが出てくるため、最適なアンテナがわからずに困ったことはありませんか。

強電界地域とはその名の通り強い電波を受信できる地域のことで、機種を選ばずほとんどのアンテナを設置できます。
そのため業者やWEBサイトによっておすすめのアンテナが異なり、みなさん迷われてしまうようです。

結論から言うと、テレビ電波の強電界地域で設置するアンテナはどのアンテナを選択してもテレビ映りにあまり差はありません。
お住まいの周辺環境や状況によって、ご自宅に最適なアンテナを選ぶようにしましょう。

ここでは、テレビ電波の強電界地域に最適なアンテナ選びと、強電界地域で起こりやすい障害について解説します。

強電界地域にお住まいの方、どのアンテナをつけようか迷われている方、これからアンテナ工事を予定している方、アンテナについて知りたい方は、ぜひ参考になさってください。

テレビ電波の弱電界地域に最適なアンテナとは？正しいアンテナ選びを解説

テレビ電波の強電界地域とは

テレビ電波の強電界地域とは、飛んでいるテレビ電波の量が多い地域のことです。

テレビ電波が多いことで建物の内部にも電波が届きやすく、一般的にはテレビを視聴しやすい地域だと認識されています。

ここでは、このテレビ電波の強電界地域についての基礎知識と、強電界地域になる要因について解説します。

電界地域とは

電界地域とは、届いているテレビ電波の量による地域区分のことです。

電波量が多い順に「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」と呼ばれています。

この電波量は「db（デシベル）」という単位で表され、それぞれ強電界地域は非常に強い電波が受信可能な80db以上の地域、中電界地域は問題なくテレビ視聴ができる60db以上80db以下の地域、弱電界地域は電波が弱すぎてそのままではテレビが視聴できない60db以下の地域と規定されています。

強電界地域になる要因

強電界地域になる要因は、電波塔から距離が近く、周囲に遮蔽物がないことです。

テレビ電波は近隣の電波塔から発信されているため、電波塔と近い場所は必然的に電波量が多くなります。

それに加えて電波には直進性という特徴があるため、アンテナと電波塔との間に障害物がないことも重要です。

強電界地域のメリットとデメリット

一般的に強電界地域は電波状況が良いため、メリットしかないと思われています。

もちろん強電界地域はアンテナの種類や設置場所の自由度が高いなど様々なメリットがあります。
例えば家の外観や太陽光発電の有無に応じてアンテナを選択できたり、電波状況によってはアンテナを室内に設置して風雨から守ることもできます。

その一方で強電界地域は電波が強すぎるため、テレビの電波許容量を超えると映像が乱れるなどの不具合が発生しやすくなるデメリットがあります。
強電界地域で起こりやすい障害や解決方法は後ほど「４テレビ電波の強電界地域で起こりやすい障害とは」で解説していますので参考になさってください。

次はこの強電界地域の特徴やメリットとデメリットをふまえて、最適なアンテナについて解説します

テレビ電波の強電界地域に最適なアンテナ

テレビ電波の強電界地域では、基本的に設置できるアンテナの種類に制限はありません。

昔からある矢印型の「八木式アンテナ」や、コンパクトなボックスタイプの「デザインアンテナ」、スマートなポールタイプの「ユニコーンアンテナ」、取り付け不要の「室内アンテナ」などが設置可能です。

しかし強電界地域は選択肢の幅が広い一方で、いざ工事になるとどのアンテナが最適なのかわからずに困ってしまう方も多くいらっしゃいます。

ここでは、強電界地域で最適なアンテナを選ぶためのポイントを、アンテナの特徴ごとに解説します。
メリットとデメリットの両面を解説しますので、ご家庭の状況とてらしあわせながら最も希望に合うアンテナを選択してください。

八木式アンテナ

八木式アンテナは古い日本家屋の屋根でよくみる魚の骨のような形状のアンテナです。

どのような電界地域でも使用できる高い受信性能があり、日本で一番普及しています。
また、本体価格が手頃であるというメリットがあります。

その一方で、屋根の上に設置するため洋風住宅の外観と合わない、自然災害の影響で劣化しやすい、大型なので落下すると危険、というデメリットがあります。

八木式アンテナを選ぶポイント

強電界地域で八木式アンテナがおすすめなのは、性能も重視したいけれど、設置価格も抑えたいというご家庭です。

テレビ電波の受信性能が高いため、もし周辺地域で高層マンションなどの工事があったとしても問題なくテレビを視聴し続けることができます。

その一方で、八木式アンテナは大型で持ち運びが難しいため、転勤族や引っ越しの予定がある方にはおすすめできません。
またメンテナンスのたびに屋根に人が上がるため、築年数の経過した家屋では工事による雨漏りのリスクがあるため慎重に検討するようにしましょう。

デザインアンテナ

デザインアンテナは、2010年ごろに登場した比較的新しいアンテナです。

発売当初は電波の受信が安定しないなどのトラブルが発生していましたが、アンテナメーカーの努力により、現在ほとんどの問題は解消されています。
また、ブースター（電波増幅器）を併設することで受信性能は八木式アンテナと変わらないほどに進化しました。

このデザインアンテナは小さな箱型で外壁やベランダに設置するため、風雨の影響を受けにくくメンテナンスを安全に行うことができるというメリットがあります。
またカラーバリエーションが豊富なので壁の色に合わせて目立たないように設置することができ、新築や洋風住宅などの外観を損なわずにすみます。

デメリットとして、外壁に設置するため他のアンテナに比べて周囲の環境変化の影響を受けやすい構造になっています。

デザインアンテナを選ぶポイント

デザインアンテナは、外観を重視したい方や、ランニングコストを抑えたい人、古い建物にお住まいの方におすすめです。

以前のデザインアンテナはアンテナを目立たせたくない新築住宅や太陽光発電を希望するご家庭で多く注文されていました。
しかし最近では瓦を傷める心配がなく高所作業料も比較的安いという理由で築年数の古い建物での設置工事も急増しています。

また、住宅密集地にお住まいの方や高層ビル建設予定地に近い方は、周囲の状況変化によってテレビ映りが悪くなってしまうことがあります。
そのようなケースでもデザインアンテナは小型なので、別の場所に移設することも可能です。もしデザインアンテナで不具合が発生したら、アンテナ専門業者に相談しましょう。

ユニコーンアンテナ

ユニコーンアンテナは、2017年ごろに発売開始した次世代型のアンテナです。
細長い棒状のスタイリッシュな形状なので屋根に設置しても目立たず、かつ受信性能が高いという特徴から注目を集めています。

ユニコーンアンテナのメリットは、ポール状なので風雨や鳥の影響を受けづらく、デザイン性が高いため洋風住宅の外観にもマッチすることです。

反対にデメリットは、まだ発売されて間がないため本体価格がやや高いことがあげられます。

ユニコーンアンテナを選ぶポイント

ユニコーンアンテナは受信性能が高く目立たないという、八木式アンテナとデザインアンテナの良いところをあわせた特徴があります。

そのため快適なテレビ視聴を確保しつつ、太陽光パネルを併設したい、隣家との境界を超えたくない、周囲の環境変化で移設工事をしたくない、という方におすすめです。

また、強電界地域であれば屋根以外の外壁や屋根裏などにも設置できることもあります。
屋内であれば屋外設置よりも経年劣化を防ぐことができるため、希望する場合はアンテナ専門業者に相談してみましょう。

室内アンテナ

室内アンテナは、屋内型の小型アンテナです。
机の上に置く卓上型と、室内の窓や壁に貼り付けて使う極薄のペーパータイプが選択できます。

この室内アンテナは工事不要でテレビに接続するだけで使用でき、本体価格が安いというメリットがあります。

便利な一方で、受信性能があまり高くないというデメリットがあります。たとえ強電界地域であっても天候や設置場所によって快適にテレビが視聴できないケースもよくききます。

室内アンテナを選ぶポイント

室内アンテナは手軽で安価なので、テレビにノイズが入るたびにアンテナの位置調節をするのが面倒でなければおすすめのアンテナです。

ただし、室内アンテナは強電界地域の中でも利用できる地域が限られています。
また周辺環境の変化に弱く、ある日急にテレビが映らなくなるリスクもあります。

業者であればご自宅の電波強度を専門機器で測定してくれるため、室内アンテナの設置に迷ったら事前にアンテナ専門業者に相談するようにしましょう。

テレビ電波の強電界地域で起こりやすい障害とは

強電界地域では電波強度が強いためメリットが多いように思われがちです。

しかし、電波が強すぎることで発生してしまう障害もあります。

ここでは、テレビ電波の強電界地域で起こりやすい障害とその解決方法をご紹介します。

電波が強すぎてブロックノイズが発生する

ブロックノイズとは、テレビ画面に発生する横長や四角形のブロック型のノイズのことです。

大きなモザイクに似ており、音声が途切れたり映像が止まることもあります。

このブロックノイズは、受信する電波が多すぎてテレビが処理しきれないと発生します。

ブロックノイズの解決方法

強電界地域でのブロックノイズは、強すぎる電波量を下げるためアッテネーター（減衰器）という機器を使用して解決します。

このアッテネーターはテレビ本体に初期機能として搭載されていることがあります。
そのためまずはテレビの設定画面でアッテネーター機能を探し、あればONに、なければアッテネーターを追加で設置しましょう。

アッテネーターはご自身で購入することもできますが、アンテナやテレビの周辺機器を自分で工事すると、逆にテレビ映りが悪化したり、メーカー保証の対象外となってしまうことがあります。

アッテネーターの種類や設置方法などにすこしでも不安がある場合は、アンテナ専門業者に相談しましょう。

強電界地域なのに電波が届かない

近年、強電界地域のはずなのに電波が届かなくてテレビが映らないというご相談が増加しています。

このように強電界地域で急にテレビ映りが悪くなった場合、多くの原因は周辺環境の変化です。

例えば今までは問題なく電波を受信できていたとしても、電波塔とアンテナの間に高層ビル建設がスタートすれば本来届くはずだった電波が拡散してしまい、たとえ強電界地域でも電波が届かなくなることは十分にありえます。

強電界地域で電波が届かないときの解決方法

強電界地域で電波が届かなくなった場合、アンテナの向きを変えることで解決することがあります。

八木式アンテナやデザインアンテナは一方方向からくる電波を拾いやすい指向性という性質があるため、アンテナの向きをすこし変えるとテレビ映りが回復することがあります。

また電波強度が全体的に弱くなってしまった場合は、ブースター（電波増幅器）という機器を使用してテレビが視聴できるレベルまで電波量を上げることもできます。

どちらの解決方法も正確に電波測定を行いながらの高所作業が欠かせません。
自分で修理しようとすると転落や感電などの危険もあるため、すこしでも高所作業や配線の処理などに慣れていない場合はアンテナ専門業者に依頼することをおすすめします。

テレビ電波の強電界地域に最適なアンテナまとめ

今回はテレビ電波の強電界地域に最適なアンテナと、強電界地域で起こりやすい障害について解説しました。

強電界地域は電波が良いため、どのようなタイプのアンテナでも設置することができます。
どのアンテナにもメリットとデメリットがありますので、できるだけご家庭の希望に沿ったアンテナを選ぶようにしましょう。

また、電波が強すぎることで発生するブロックノイズや、周辺環境の変化によるスポット的な弱電界化などの障害が発生することもあります。
このような障害は個人で対応しきれないこともありますので、すこしでも不安があればアンテナ専門業者に相談しましょう。

地デジやドットコムは、アンテナ工事を専門にしているプロ集団です。
強電界地域でのアンテナ設置工事にも豊富な経験とノウハウがあり、24時間体制で専門知識を持つスタッフがご連絡をお待ちしております。

強電界地域に設置するアンテナを選びたい、アンテナ工事について知りたい、家のテレビにノイズが走るなど、お困りのことがあればいつでもご相談ください。